<新興国eye>前週のブラジル株、インフレ減速と利上げ終了観測を受け反発=BRICs市況

新興国

2022/9/12 9:21

 前週(5-9日)のブラジル株式市場は9日のボベスパ指数が前日比2.17%高の11万2300.41、週間ベースでは2日終値比1.30%高と、反発した。月初来で2.54%高、年初来では7.13%高となっている。

 週明け5日は指数が3営業日続伸。翌6日は急反落した。7日は「独立記念日」の祝日で休場。取引が再開された8日は小反発した。

 週前半は、中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、22年実質GDP(国内総生産)伸び率の見通しが前週予想の2.10%増から2.26%増に引き上げられたことが好感され、買いが優勢となった。また、原油高を受け、資源セクターが買われ、上げを主導。その後は、中銀のロベルト・カンポス・ネト総裁が年内の追加利上げの可能性は否定できないと発言したことや、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続観測が強まり、米長期金利が上昇したことが嫌気され、売りが優勢となった。

 週後半は、休場明けで取引が再開され、ECB(欧州中央銀行)が0.75ポイントの大幅利上げを決めたことや、ロシア産天然ガスの欧州への供給停止、さらにはFRBのパウエル議長の利上げ継続発言で上値が重くなる中、コモディティ(国際相場商品)相場の上昇や、中国政府が経済対策を打ち出す方針を示したことが好感され、指数はかろうじてプラス圏で引けた。

 週末9日は続伸。8月のIPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.36%低下、前年比では8.73%上昇と、21年6月以来1年2カ月ぶりの低い伸びとなったことを受け、中銀が利上げサイクルを終了するとの見方が広がり、買いが優勢となった。また、鉄鉱石相場も堅調となり、鉱山大手ヴァーレが急伸。上げを主導した。

 今週(12-16日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特に大統領選挙の動向も注目される。主な経済指標の発表予定は13日のサービス業成長率や14日の7月小売売上高、15日の7月IBC-Br経済活動指数、16日の9月IGP-10インフレ指数(8月11日-9月10日まで物価変動指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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