<新興国eye>前週のインド株、利上げ警戒や世界同時不況懸念を受け3週続落=BRICs市況

新興国

2022/10/3 9:20

 前週(9月26-30日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の30日終値は前日比1.80%高の5万7426.92、週間ベースでは23日終値比1.16%安となり、3週続落した。

 週明け26日は指数が下落。29日まで7営業日続落した。

 週前半は、海外株安を嫌気して、インド市場でも売りが優勢となった。週末のインド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合を控え、神経質な取引となる中で、欧米の各国中銀の急速な利上げによる世界経済のリセッション(景気失速)懸念が強まり、景気敏感株の銀行や自動車が売られた。その後は、自律反発の買いが先行したが、引けにかけて利食い売りに押される展開となった。その後も世界同時不況懸念で引き続き売りが強まった。

 週後半は、世界景気懸念でアジア市場が下落したことを嫌気し、インド市場でも売りが優勢となった。前週のFRB(米連邦準備制度理事会)による大幅利上げ継続以降、インド市場では世界同時不況懸念が強まり、弱気相場が続いた。その後は、週末のインド準備銀行の金融政策決定会合で追加利上げが決まるとの観測が強まり、売りが優勢となった。また、外国人投資家が過去7営業日で、20億ドル超の資金をインド市場から引き出したことも地合いを悪化させた。

 週末30日は反発。インド準備銀行は0.5ポイントの追加利上げを決めたが、予想通りだったことや、インフレ見通しが改善し、悲観的なサプライズがなかったため、買い安心感が広がった。中銀は22年度(22年4月-23年3月)の第3四半期(10-12月)のインフレ見通しを前年比6.5%上昇と予想し、前回会合時の同6.4%上昇から引き下げている。

 今週(3-7日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は3日の9月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)や6日の9月日経インド非製造業PMIなど。5日は「ダシェラ祭」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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