<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高もウクライナ情勢巡る追加制裁を受け続落=BRICs市況

新興国

2022/10/11 9:25

 前週(3-7日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の7日終値が前日比3.81%安の1005.04、前週比では9月30日終値比4.80%安となり、3週続落した。

 週明け3日は指数が反発。翌4日も続伸した。5日は反落。6日も続落した。

 週前半は、ブレント原油先物が1バレル当たり88ドルを突破したことが好感され、買いが優勢となった。OPEC(石油輸出国機構)プラスが原油価格の4カ月連続安を受け、予想以上に減産するとの思惑が背景。ロシア議会がウクライナの東部と南部の4州をロシアに編入する国際条約を批准したことに対する、西側からの対ロ追加制裁が緩やかだったことで買い安心感が広がった。その後は、原油価格が91.7ドルに急騰したほか、金鉱山最大手ポリウス・ゴールドと国営ダイヤモンド生産最大手アルロサなどが急伸し、上げを主導した。

 週後半は、海外株安となったことや、西側が新たな対ロ制裁を検討しているとの観測が嫌気され、売りが優勢となった。ただ、OPECプラスが11月の原油生産量を日量200万バレル減産すること決めたため、原油価格が93.6ドルに上昇し、下げは限定的となった。その後は、EU(欧州連合)がロシア産原油の上限価格設定や、鉄鋼製品や自動車、電子部品などの対ロ輸出禁止などの新制裁を発表したことが嫌気され、売りが強まった。

 週末7日は3日続落。海外株安や西側の対ロ新制裁で売りが優勢となった。ノルウェーはロシア漁船の寄港禁止などの制裁措置を発表。また、国営天然ガス大手ガスプロムと石油開発大手タトネフチの中間配当金の減配観測で急落。下げを主導した。

 今週(10-14日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える12日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や13日の米EIA(エネルギー省エネルギー情報局)週間石油在庫統計、また、週初のガスプロムとタトネフチの中間配当金の減配発表も注目される。主な経済発表の予定は12日の2月貿易収支など。RTS指数は850-1000の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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