<新興国eye>前週のブラジル株、大統領選第1回投票でルラ氏圧勝を受け急反発=BRICs市況

新興国

2022/10/11 9:26

 前週(3-7日)のブラジル株式市場は7日のボベスパ指数が前日比1.01%安の11万6375.25、週間ベースでは9月30日終値比5.76%高と、急反発。この結果、月初来で5.76%高、年初来では11.02%高となった。

 週明け3日は指数が上昇。6日まで5営業日続伸した。

 週前半は、大統領選挙(2日)の1回目の投票で、左派のルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領が現職で極右のジャイール・ボウソナロ大統領に圧勝したことが好感され、買いが優勢となった。市場では今後、議会の上下両院の勢力図が変わり、リベラル派が多数を占めると期待を寄せている。30日に決選投票が行われる予定。また、米長期金利が急低下し、資金流出懸念が緩和したことも支援材料となった。原油高を受け、資源セクターが急騰。上げを主導した。

 その後は、上値は重くなる中で買いが優勢となった。中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、22年実質GDP(国内総生産)伸び率の見通しが前週予想の2.67%増から2.70%増に引き上げられたことや、米国の積極的な利上げ懸念が一時的に後退したことも好感された。

 週後半は、米国の弱い経済指標を受け、米積極利上げ懸念が後退したことや、国内では8月鉱工業生産が前年比2.8%上昇と、7月の同0.4%低下や市場予想の同2.4%上昇を上回ったことが好感され、買いが優勢となった。また、OPEC(石油輸出国機構)プラスの減産決定を受け、原油価格が急騰し、国営石油大手ペトロブラスが上げを主導した。その後は、週末の米9月雇用統計の発表を控える中、米景気の後退懸念で利上げペースが鈍化するとの思惑が強まり、買いが優勢となった。ただ、海外市場が軟調となったため、上値は重くなった。

 週末7日は反落。米9月雇用統計の結果を受け、売りが優勢となった。雇用者数の伸びが市場予想を上回り、失業率も低下、賃金の伸びも堅調となり、雇用市場の強じん性が示されたことが背景。市場ではFRB(米連邦準備制度理事会)は次回11月会合で0.75ポイントの大幅利上げを継続するとの観測が強まり、世界同時不況懸念とブラジル国内からの投資資金の流出懸念が広がった。

 今週(10-14日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特に大統領選挙の決選投票の動向も注目される。主な経済指標の発表予定は11日の9月IPCA(拡大消費者物価指数)や14日の8月IBC-Br経済活動指数と8月サービス業成長率など。12日は「聖母の日」の祝日のため、休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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