<新興国eye>前週のブラジル株、大統領決選投票控える中、高値警戒感を受け急反落=BRICs市況

新興国

2022/10/31 9:19

 前週(24-28日)のブラジル株式市場は28日のボベスパ指数が前日比0.09%安の11万4539.05、週間ベースでは21日終値比4.49%安と、急反落した。この結果を受け、月初来で4.09%高、年初来では9.27%高となった。

 週明け24日は指数が急反落。26日まで3日続落した。27日は反発。

 週前半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感が強まる中で、通貨レアルの急落が嫌気され、売りが優勢となった。個別銘柄ではブラジル銀行と国営石油大手ペトロブラス、鉱山大手ヴァーレが急落し、下げを主導。その後は、中銀の金融政策決定会合を週後半に控える中、10月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)が3カ月ぶりに加速したことを受け、インフレ加速懸念で売りが強まった。個別銘柄では冷凍食品大手BRFが急落し、下げを主導した。

 週後半は、高値警戒感から利食い売りが強まった。レアル安の進行や財政赤字拡大への懸念も嫌気された。特に、スペイン金融大手サンタンデールのブラジル法人、バンコ・サンタンデール・ブラジルの四半期決算が減益となったことを受け、ブラデスコやブラジル銀行など銀行セクターが軒並み売られ、相場を押し下げた。その後は、ブラジル中銀が現状維持を決め、利上げを見送ったことが好感され、買いが優勢となった。レアル高となったことも支援材料となり、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。

 週末28日は反落。大統領選挙の決選投票(30日)を控え、現職のジャイール・ボウソナロ大統領がルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ元大統領に負けた場合、選挙結果を巡り、選挙のやり直しなど政治的混乱が起こるとの懸念で売りが優勢となった。

 今週(10月31日-11月4日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特に大統領選挙の決選投票(30日)の動向も注目される。主な経済指標の発表予定は31日の9月財政収支や1日の9月鉱工業生産と10月S&Gグローバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)、10月貿易収支、3日の10月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所(FIPE-USP)が発表する消費者物価指数)、4日の10月S&Gグローバル・ブラジル非製造業PMIなど。2日は「万聖節」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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