<新興国eye>前週のインド株、米利上げ長期化懸念やウクライナ攻撃激化を受け続落=BRICs市況

新興国

2022/12/19 9:16

 前週(12-16日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の16日終値は前日比0.75%安の6万1337.81、週間ベースでは9日終値比1.36%安と、続落した。

 週明け12日は指数が下落。翌13日は反発した。14日も続伸。15日は急反落した。

 週前半は、11月CPI(消費者物価指数)とFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合の結果待ちとなる中で売りが優勢となった。その後は、米株高を好感し、インド市場でも買いが優勢となった。11月CPIが前年比5.88%上昇と、10月の6.77%上昇から伸びが減速し、物価目標レンジの上限(6%上昇)を下回ったことや、農村部の自動車販売が回復し、景気回復期待が強まったことも支援材料となった。

 週後半は、堅調なアジア市場を受け、インド市場でも買いが優勢となった。また、国内インフレの減速に加え、FRBが利上げ幅を縮小したこと、外国人投資家の買い越しが継続したことも買い材料となった。その後は、FRBが利上げ幅を縮小したものの、最新の経済予測で政策金利のピーク見通しを5.1%に引き上げたことを受け、利上げが長期化するとの思惑で売りが広がった。

 週末16日は続落。ロシア軍がウクライナの首都キーウなどへのミサイル攻撃を激化させ、地政学的リスクが高まったことを受け、売りが強まった。また、ECB(欧州中央銀行)とBOE(英中銀)の同時利上げで欧米でのリセッション(景気失速)が広がったことも売り材料となった。

 今週(19-23日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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