<新興国eye>前週の上海総合指数、コロナ感染急増と経済停滞懸念を受け続落=BRICs市況

新興国

2022/12/26 9:09

 前週(19-23日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで続落。23日は3045.87(16日終値比3.85%安)だった。

 週明け19日は指数が下落。21日まで5営業日続落した。

 週前半は、国内の大都市でコロナ新規感染者数が急増、病院の発熱外来に受診者が殺到して医療提供体制がひっ迫したことを受け、経済活動の停滞懸念が強まり、売りが優勢となった。中国疾病予防管理センターは感染第1波に入っており、1月の春節(旧正月)で第2波が予想されるとの見通しも売り材料となった。その後は、12月中国企業信頼感指数が13年1月の調査開始以降で過去最低となったことや、中国人民銀行(中銀)が1年物と5年物のローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)を据え置き、景気支援の引き下げを先送りしたことが嫌気され、売りが一段と強まった。

 週後半は、コロナ感染拡大が続く中、世銀が最新リポートで中国の22年成長率見通しを前回9月予想の2.8%増から2.7%増に下方修正したことを受け、売りが優勢となった。ただ、当局がコロナ感染拡大でもゼロコロナ政策の緩和を継続していることが見直され、また、アジア株が堅調となったことを受け、下げは限定的となった。その後は、中国証券監督管理委員会(証監会)が政府の景気刺激策により、中国経済は回復するとの見通しを示したことを受け、優良株は上昇したものの、指数全体では引き続き値下がりした。

 週末23日は6営業日続落。保健当局が1週間以内にコロナ感染がピークに達するとの見通しを示したこを受け、コロナ感染者急増で経済活動が停滞するとの懸念が強まったことや、米利上げ継続が思ったよりも長期化するとの懸念で売りが優勢となった。

 今週(26-30日)の株式市場は新型コロナ感染拡大や台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は27日の11月鉱工業利益やなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ