アナリストの視点:国際株式型がパッシブを支えに3年連続のトップ、バランス型・国内株式型は大幅増-2022年資金フロー

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2023/1/12 14:45

 2022年の国内公募追加型株式投信(ETF除く)への純資金流出入額は7兆9,835億円の純資金流入となった(12月はモーニングスター推計値を使用)。9兆2,741億円となった2021年からは減少したものの、モーニングスターで取得可能な1998年以降の25年間で6番目となった。2022年は、ロシアのウクライナ侵攻や欧米など主要国でのインフレ対応のための金融引き締めを受けて、世界的な株安・債券安に見舞われたが、金融市場が混乱する中でも、国内ファンドには高水準な資金の流入が続いた。

「国際株式型」が3年連続のトップ、パッシブは流入増もアクティブは株安が影響

 2022年の国内公募追加型株式投信(ETF除く)への純資金流出入額をモーニングスター大分類別に見ると、国際株式型が4兆7,524億円の純資金流入となり、3年連続で全10分類中トップとなった。ただ、純資金流入額は2021年の8兆3,482億円から43.1%減少した(図表1=画像クリックで拡大画像にジャンプ)。国際株式型をアクティブ、パッシブファンド別に見ると、アクティブへの純資金流入額が1兆5,106億円と2021年の5兆8,856億円から74.3%減少したのに対して、パッシブへの純資金流入額は3兆2,418億と2021年の2兆4,627億円から31.6%増加した。

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 2022年の世界の株式市場では、日本を除く世界の先進国の株価動向を示す「MSCI コクサイ・インデックス(米ドルベース)」が2021年末比▲19.67%、新興国の株価動向を示す「MSCI エマージング・マーケット・インデックス(米ドルベース)」は同▲21.78%となった。米国ではNYダウが同▲8.93%、S&P500が同▲19.65%、ナスダック総合指数が同▲33.51%となった。

 国際株式型ファンドは依然として国内ファンドへの資金流入のけん引役であるが、2022年はパッシブファンドへの旺盛な流入が加速する一方で、アクティブファンドは世界的な株安の影響を受けた。アクティブの中でも、ESG(環境・社会・企業統治)関連、テクノロジー関連、次世代通信関連をテーマとするファンドからの資金流出が目立った。

 個別全ファンドの2022年の純資金流出入額を見ると、純資金流入額上位5ファンドを国際株式型が占めた。このうち、「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(愛称:SBI・V・S&P500)の3ファンドは2021年に続いて上位5位内。「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」は2021年の第7位から、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))は2021年の第10位からランクアップした。

 上位5ファンドのうち、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」を除く4ファンドが米国株式もしくは世界株式への連動を目指すパッシブファンドであり、つみたてNISA対象ファンドでもある。トップの「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の純資金流入額が7,359億円と2021年比2,013億円増加したのを始め、4ファンドともに2022年の純資金流入額が2021年から増加した。一方、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」の純資金流入額は2021年比51.4%減と半減した。国際株式型アクティブファンドが世界的な株安の影響を受けたのとは対照的に、つみたてNISA対象のパッシブファンドの一角には、長期スタンスの投資家の安定した資金の流入が続いた。2023年に入っても、各国の金融政策の行方や景気減速懸念に金融市場が振らされやすい状況が続いている。これらパッシブファンドへの資金流入が継続しそうだ。

バランス型は前年比倍増、国内株式型も大幅増

 大分類別で純資金流入額が大幅に伸びたのは、第2位となったバランス型と第3位の国内株式型だ。バランス型は1兆778億円の純資金流入、国内株式型は8,298億円の純資金流入。バランス型の純資金流入額は2021年の4,824億円から約2.2倍、国内株式型は2021年の383億円から約21.7倍となった。

 バランス型ではつみたてNISA対象ファンドの「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」(446億円の純資金流入)と「のむラップ・ファンド(積極型)」(415億円の純資金流入)のほか、「のむラップ・ファンド(普通型)」(761億円の純資金流入)、「NWQフレキシブル・インカムファンド 為替ヘッジなし」の「毎月決算型」(671億円の純資金流入)と「年1回決算型」(433億円の純資金流入)などが資金を集めた。いずれも2021年もバランス型で純資金流入上位であり、2022年は流入額が増加した。

 国内株式型では、「日経225ノーロードオープン」(650億円の純資金流入)、「インデックスファンド225」(341億円の純資金流入)など日経平均株価に連動するパッシブファンドへの資金流入が目立った。日経平均株価は2022年に2021年末比9.37%下落したが、日経平均株価の下落過程において、戻りを見込んだ資金の流入が膨らんだ。日経225連動型ファンド全体では2022年に3,754億円の純資金流入となり、2021年の2,594億円の純資金流入から流入超過額が拡大した。アクティブファンドでは、つみたてNISA対象ファンドの「ひふみプラス」(472億円の純資金流入)のほか、「インバウンド関連日本株ファンド」(愛称:ビジット・ジャパン)(487億円の純資金流入)などに資金流入が見られた。『ビジット・ジャパン』は訪日外国人の入国規制緩和が刺激材料となった。

※2022年12月30日配信 年末年始特集より一部加筆修正

(武石謙作)

(写真:123RF)

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