来週の東京外国為替市場見通し=日銀による政策修正観測が重し、米リセッションも警戒
予想レンジ:1ドル=126円35銭-132円00銭
9-13日のドル・円は下落。週明け9日は、前週末の米12月雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を下回ったことを材料視したドル売り・円買いが継続。10日は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演でタカ派的な見解を示すとの見方が広がり、ドルを買い戻す動きが優勢となったが、パウエル議長は金融政策に関して言及しなかったため、ドル・円は伸び悩んだ。11日は、翌日に米12月CPI(消費者物価指数)の発表を前にしたポジション調整のドル買い・円売りが先行し、底堅く推移。12日は、日銀による金融政策の再修正観測に加え、前月から伸びが鈍化した米12月CPIを受けてドル売り・円買いが優勢となった。13日の東京時間もドル・円は上値の重い展開が続いた。
日銀が17-18日の金融政策決定会合で大規模緩和による副作用を点検すると報じられてから金融政策の再修正観測が広がっており、ドル・円は戻りを試しづらい状況にある。また、大規模な金融緩和を実施してきた日銀の黒田総裁が4月で任期満了を迎えるため、政策の修正に向けた地ならしが続くともみられ、今回の会合で修正が見送られたとしてもドル・円は上値の限られた展開が続きそうだ。
FRBによる利上げペース鈍化観測も重しになる。米国では物価指標である米12月PPI(生産者物価指数)をはじめ、米12月小売売上高、米12月鉱工業生産、米12月住宅着工件数など重要な経済指標の発表も多い。CPIに続いてPPIの伸びも鈍化すればインフレの鈍化観測が強まるほか、弱い米経済指標が続いて米リセッション(景気後退)に対する警戒感も高まればリスクオフのドル売り・円買いが強まる可能性がある。
ドル・円の上値メドは52週移動平均線が通る132円ちょうど前後、下値メドは22年5月安値の126円35銭近辺が意識される。
提供:モーニングスター社
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