【為替本日の注目点】ドル円CPI発表を前に上昇

為替

サーチナ

2023/2/14 10:14

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 アジア市場でのドル高の流れを引き継ぎ、ドル円は132円91銭と約1カ月ぶりの高値を示現。今夜発表の米CPIが予想ほど鈍化していないとの観測が材料に。ユーロドルは反発したものの、1.07を挟む展開。株式市場は3指数が揃って大幅に上昇。NY連銀の家計収入の伸びに関する調査を受け、CPIへの懸念が後退。債券は反発。長期金利は3.70%台に低下。金は3日続落。原油は続伸し引けでは約4週間ぶりに80ドル台を回復。

マーケット情報

ドル/円 132.26 ~ 132.91

ユーロ/ドル 1.0677 ~ 1.0730

ユーロ/円 141.57 ~ 142.38

NYダウ +376.66 → 34,245.93ドル

GOLD -11.00 → 1,863.50ドル

WTI +0.42 → 80.14ドル

米10年国債 -0.030 → 3.702%

本日の注目イベント

豪 2月ウエストパック消費者信頼感指数

豪 1月NAB企業景況感指数

日 10-12月GDP(速報値)

日 12月鉱工業生産(確定値)

欧 ユーロ圏10-12月期GDP(改定値)

英 ILO月失業率(10-12月)

米 1月消費者物価指数

米 ローガン・ダラス連銀総裁、討論会に参加

米 ウィリアムズ・NY連銀総裁講演

米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁講演

米 バーキン・リッチモンド連銀総裁、ブルームバーグTVがインタビュー

 ドル円は昨日の東京時間昼過ぎには132円台に乗せ、132円17銭前後まで上昇し、NYではその流れを引き継ぎ、132円91銭まで続伸しました。今夜発表される米1月の消費者物価指数(CPI)が前月から鈍化を示すものの、減少スピードが鈍るとの観測からドル買いが旺盛となりました。一方日銀総裁人事については、植田氏の手腕については様々な見方があるものの、直に現行の金融政策を変更させることはないといった見方に落ち着いたようです。ただ、今後円金利の上昇は避けられないとの見方は大方の一致するところです。

 ドル高円安は進んだものの冷静に見れば、先週、雇用統計サプライズの結果を受け、さらに日銀新総裁に雨宮氏との報道を受けた際にドル円は上昇したものの、132円90銭を天井に押し戻された状況はまだ変わっていません。昨日のNYではわずか1銭上回ったものの、これはほとんど誤差の範囲であって、結局133円には届かず132円台前半まで押し戻されています。従って、目先はドル高傾向が強まってはいますが、このまま135円に向うかは不明で、今夜のCPIがどのような数字を示すのかに依ります。NY連銀が発表した消費者調査の結果が、株高、債券高につながり、米金利の低下にともなってドル売りが優勢となったことのようです。NY連銀の1月の調査では、家計収入の伸び率予想は中央値で1.3ポイント低下して3.3%と、月間ベースの下げとしては、ほぼ10年前のデータ開始以降で最大でした。米消費者は収入の伸びが鈍化する一方で、インフレは高止まりすると見込んでいることが明らかになった形です。今後賃金の伸びが鈍化すると予想されている部分が株式、債券市場には好材料だったようです。

 ボウマンFRB理事はフロリダ州オ-ランドで開かれたイベントで講演し、「物価安定の達成からはなお程遠い。インフレを当局の目標に向けて鈍化させるため、金融政策を一段と引き締める必要があると見込んでいる」と述べ、その上で、「そうした引き締め措置は、経済活動の拡大抑制と労働市場環境の幾分かの軟化をもたらす可能性が高い」と指摘しています。(ブルームバーグ)引き続きほぼ全てのFOMCメンバーはタカ派寄りの発言を行っており、そのトーンは雇用統計後、さらに強さを増した印象があります。

 北米に飛行物体が相次ぎ、米軍が撃墜する事態が続いています。今月4日に撃墜された気球は中国の偵察用気球であることが確認されていますが、それ以外では国籍や飛行目的などは分かっていません。一方中国側も、米気球が2022年の1年間で10回余り中国の領空に侵入したと発表しています。このような状況の中、ブリンケン国務長官は、今週ドイツで開かれる「ミュンヘン安全保障会議」の場で、中国外交のトップである王毅氏と会談することが検討されています。会談が実現すれば、偵察用の疑いが持たれている中国の気球を巡り、両国間の緊張が高まって以来の会談になります。ブリンケン国務長官は先週、気球問題を受けて予定していた訪中を延期した経緯があります。

 本日は22時30分に米1月CPIが発表されます。市場が懸念しているように、インフレ率は低下するものの、鈍化傾向を示すのか、注目です。本日のドル円は131円~133円50銭程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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