<NISAで買いたい割安成長株>大化けのきっかけは認知度だけ――オーダースーツのグローバルS
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マーケットには常に、超が付くほど割安な株が存在する。「どうしてこんなに安いのか?」と思うような銘柄は、地味であったり、斜陽と見なされたりしている業種に特に多く眠っている。
コロナ禍でディスカウントデビュー
しかし、何らかの理由で認識が変わることにより、こうした銘柄は一気に「お宝」と化す。最近の良い例がパチンコ・パチスロ関連株だ。斜陽と考えられていた産業だけに、関連機器を製造する企業の株価のPERやPBR(株価純資産倍率)は軒並み大きく割り引かれていた。ところがスマートスロットが登場したことで一変し、なだれ込むように投資家の物色が向かった。半導体製造装置株もサイクルの谷にある局面では同様で、コロナ後のIT特需を予想できていれば、レーザーテック(6920)などを今では考えられないような安値で買うことができた。
今回はそうした観点から、グローバルスタイル(=グローバルS、7126)を取り上げたい。オーダースーツ店を展開する同社は2021年8月に上場したが、当時は新型コロナウイルス禍の真っただ中。テレワークも相当定着していた時期だっただけに、「スーツなんか誰が買うのか」という状況にあった。結果、公開価格はPER約10倍に当たる1600円(株式分割前の価格)にとどまり、初値もそれよりわずかに高いだけにすぎない1703円でデビューした。
実は有望市場、PER20~30倍でも
だが、実はオーダースーツ市場は拡大傾向にあり、高品質のスーツを手ごろな値段で提供する同社の成長性は大きい。営業利益(非連結)は21年7月期に3億900万円と前の期の60%増、22年7月期は5億4800万円とさらに78%増の驚異的な伸びを達成した。23年7月期は6億3300万円(前期比15.3%増)を計画するが、これは極めて保守的な業績予想だ。
実際の成長性を加味すれば、現在のPER8倍台は明らかに評価不足だ。ちなみに同じオーダースーツの老舗である銀座山形屋(8215)は現在14倍台。グローバルSの勢いを加味すれば、20~30倍でも決しておかしくない。大化けのきっかけは認知度の向上だけだろう。
こういった地味ながら成長を続ける銘柄はNISA(少額投資非課税制度=ニーサ)に向いている。スーツ業界のファーストリテイリング(9983)として、バイアンドホールド寝かせておけば、数年後には数倍になっているかもしれない。
(写真:123RF)
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