(再送)米12月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比5.8%上昇―9カ月連続で減速

経済

2023/3/1 10:29

<チェックポイント>

●主要20都市は前年比4.6%上昇―市場予想下回る

●20都市圏の全都市で伸び鈍化

●S&P、「住宅価格は引き続き減速する」と予想

 スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が2月28日に発表した12月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比0.8%低下の294.68と6カ月連続の低下となり、季節要因を無視できる前年比は5.8%上昇と9カ月連続で減速した。

 また、市場が最も重視している主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は、前月比0.9%低下の298.7と6カ月連続で低下。前年比は4.6%上昇と8カ月連続で減速し、市場予想の平均値である4.7%上昇を下回った。主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.8%低下の310.64、前年比は4.4%上昇。

 都市別の前年比は、すべての都市が前月を下回る伸びとなった。マイアミは15.9%上昇、タンパは13.9%上昇と、2カ月連続で20%割れ。このほかで伸びが10%を超えたのはアトランタの10.4%上昇のみで、シャーロットは9.9%上昇、ダラスは7.9%上昇、大都市ニューヨークは6.6%上昇などとなった。サンフランシスコ(4.2%低下)は2カ月連続で低下したし、シアトル(1.8%低下)も低下に転じている。

 S&P500指数を運営しているS&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は今後の見通しについて、FRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを続ける見通しのために住宅購入者のアフォーダビリティ(住宅取得能力)が回復していないとしたうえで、「現在の厳しいマクロ経済の状況を考えると、(価格上昇は維持できず)住宅価格は引き続き減速する可能性がある」と指摘している。

 住宅ローン金利はフレディマック(米連邦住宅貸付抵当公社)の30年固定金利の平均約定金利でみると、直近の2月23日時点では6.5%と、1年前の3.92%の約1.7倍と、依然、高水準。ただ、前年の10ー11月の平均7.08%をピークに低下傾向にある。22年10月以降のインフレ率の鈍化を受け、30年固定金利も週間ベースで低下しているためだが、前週(16日)の6.32%や前々週(9日)の6.12%を上回り、最近は上昇傾向にある。

提供:ウエルスアドバイザー社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ