【為替本日の注目点】米長期金利の上昇一服
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は136円台半ばから小幅に反落。上昇傾向だった米長期金利が低下したことでドル円は135円75銭まで売られる。ユーロドルは1.06を挟んでもみ合う。長期金利の上昇が一服だったことで株式市場では3指数が揃って続伸。ダウは387ドル上昇し、S&P500は64ポイントの上昇。債券は反発。長期金利は3.95%台に低下。金は反発。原油価格も4日続伸し79ドル台に。
マーケット情報
2月ISM非製造業景況指数 → 55.1
2月S&Pグローバルサービス業PMI(改定値) → 50.6
2月S&PグローバルコンポジットPMI(改定値)→ 50.1
ドル/円 135.75 ~ 136.41
ユーロ/ドル 1.0589 ~ 1.0638
ユーロ/円 144.20 ~ 144.64
NYダウ +387.40 → 33,390.97ドル
GOLD +14.10 → 1,854.60ドル
WTI +1.52 → 79.68ドル
米10年国債 -0.104 → 3.952%
本日の注目イベント
欧 1月小売売上高
米 1月製造業受注
米 フィンランド大統領、訪米(10日まで)
前日137円10銭まで上昇したドル円は、米長期金利の上昇が一服したことで135円75銭まで反落しています。この日発表された2月のISM非製造業景況指数は「55.1」と、市場予想の「54.5」は上回ったものの、FOMCの政策会合に大きな影響を与えるものでもなかったとの見方から、株式と債券が大きく買われ、長期金利が低下。前日4.09%前後まで上昇した長期金利が3.95%台まで低下したことでドル円は利益確定も伴い、売り優勢の展開になりました。
米企業の収益状況や今後のFOMCの利上げスタンスから、NY株はさらに下げるとの見方が多い中、ダウは2日連続で300ドルを超える上昇を見せました。債券も売りが一服となり、長期金利の低下につながっており、ドル円も137円台まで上昇したことで、「達成感」とは言えないまでも売りが優勢となった印象でした。この先、ドル円が「半値戻し」の139円台半ばから節目の140円を目指すのかどうか、今週末の雇用統計が注目されます。2月3日に発表された「1月の雇用統計」を契機に、米経済指標の上振れ発表が相次ぎ、これらを受けて3月のFOMCでは「0.5ポイントの利上げの可能性もある」といった見方が強まり130円前後で推移していたドル円を押し上げました。
SFシスコ連銀のデーリー総裁は4日プリンストン大学の講演で、「やるべきことがまだあるのは明らかだ」とし、「この高インフレを過去のものとするために、さらなる政策引き締めをより長めに維持することが必要になるだろう。私の判断では、やるべきことを全てやったというのは間違いであり、これからも行われるだろう」と説明しています。ただ、この発言による市場への影響は見られませんでした。またブルームバーグ・テレビジョンの寄稿者で、元財務長官のサマーズ氏は、「米金融当局は3月の50ベーシスポイントの行動に門戸を大きく開いておくべきだ」とし、「米金融当局の現状を適正に判断するとすれば、ここ約1年でこれほど後手に回っていることはないと言えるだろう」と、今月の利上げペース再加速があり得ることを強調すべきだと指摘しています。このような意見はFOMCメンバーの中にも出て来ましたが、現時点ではまだ0.25の方に軍配が上がりそうです。ただし、これも今週末の雇用統計の結果やそれに次ぐCPIの数字如何では、0.5ポイントに大きく近づく可能性があります。その意味で、明日、明後日に(7日、8日)予定されているパウエル議長の議会証言は非常に注目されそうです。「0.25」か「0.5」かは、まさに今後のデータ次第で、現時点では「白紙」と考えておいた方が良いのかもしれません。「0.5ポイント」の利上げはまだ市場には完全に折り込まれてはおらず、仮に「0.5」ということになれば、ドル円は上記水準を試しに行く可能性もあると予想します。
本日のドル円は135円~137円程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
関連記事
-
日経平均は324円高、米国株高で買い先行
6日午前10時時点の日経平均株価は前週末比324円42銭高の2万8251円89銭。取引時間中での2万8000円台回復は、昨年12月15日以来約3カ月ぶり。朝方は、買いが先行した。前週末の米国株式市場・・・…続き
-
10時の注目株=75日線を下支えに巻き返しに期待――冶金工をマーク
2023/3/6 10:00
日本冶金工業(冶金工)をマークしたい。同社の23年3月期第3四半期累計(22年4-12月)の連結決算は、売上高が1500億1600万円(前年同期比45.1%増)、営業利益が230億9・・・…続き
-
レーティング情報(目標株価変更・その2)=住友ベーク、レンゴーなど
2023/3/6 9:55
◎三菱UFJモルガン・スタンレー証券(3段階・オーバーウエート>ニュートラル>アンダーウエート、中・小型株分類はBuy>Hold>Sell) 住友ベーク――「オーバーウエート」→「オー・・・…続き
-
レーティング情報(目標株価変更・その1)=ユニプレス、大王紙など
2023/3/6 9:54
◎野村証券(3段階・Buy>ニュートラル>リデュース) ユニプレス――「Buy」→「Buy」、1000円→1050円 アインHD――「Buy」→「Buy」、7900円→・・・…続き
-
レーティング情報(投資判断変更・その2)=エレコム、AGC
2023/3/6 9:53
◎SBI証券(3段階・買い>中立>売り) エレコム――「買い」→「中立」、2000円→1230円◎CLSA証券(4段階・Buy>アウトパフォーム>アンダーパフォーム>Sell) AGC・・・…続き
速報ニュース
-
SYSHD、ウエルスアドバイザーは新規「オーバーウエート」に
253時間前
-
<一撃!裏銘柄>「SAP27年問題」で商機拡大、低位株人気に乗るノムラシス
253時間前
-
9日前引けの日経平均株価=189円73銭高の3万8392円10銭と反発
253時間前
-
254時間前
-
ヒューマンHが急騰で年初来高値更新、24年3月期の利益・配当予想を上方修正
254時間前
-
日経平均は142円程度高、採用銘柄の値上がり率上位にオムロン、ヤマハ、オリックスなど
254時間前
-
254時間前
-
(再送)スクロールが急騰、25年3月期は2ケタの増益見通しに配当の増額を計画
255時間前
-
<米国株情報>カナダのショッピファイが続急落、赤字転落や保守的な売上高予想を嫌気
255時間前
-
<米国株情報>ウーバーは大幅続落、第1四半期は最終赤字拡大、予約ベースの売上高も市場予想に届かず
255時間前