<米国株情報>シリコンバレーバンクが経営破綻、連邦預金保険公社の管理下に

株式

2023/3/13 10:20

 カリフォルニア州の金融監督当局である金融保護・イノベーション局(DFPI)は10日、銀行持株会社SVBファイナンシャル・グループ傘下のシリコンバレーバンクが経営破綻したことを明らかにした。FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げで顧客企業の経営が悪化したうえ、親会社のSVBファイナンシャル・グループが9日に財務改善を目的とした資金調達計画を発表したことが預金の流出につながったとみられる。

 シリコンバレーバンクはカリフォルニア州とマサチューセッツ州の13支店を持ち、総資産額は22年12月末時点で約2090億ドル、預金額は約1754億ドル。銀行の経営破綻は20年10月のカンザス州アルメナにあるアルメナ・ステートバンク以来、2年7カ月ぶりとなるが、08年に経営破綻したワシントン・ミューチュアルに次ぐ規模の破綻となる。

 DFPIは混乱を避けるため、同行の全支店を一時閉鎖すると同時に、銀行の経営破綻時に預金者の普通預金や当座預金など保護するFDIC(米連邦預金保険公社)を管財人に任命した。今後、同行の債務処理や再建の行方はFDICの手に委ねられる。

 同行は主に米西海岸地域のITなどのハイテクセクターのベンチャー企業やベンチャーキャピタルに融資していることで知られ、ベンチャー企業への影響が懸念される。

 同行の破綻はすでに一部企業に影響が及んでいるもよう。経済専門チャンネルCNBCによると、オンライン小売大手エッツィはシリコンバレーバンクを経由して代理店に販売代金を支払っているため、シリコンバレーバンクの破綻により10日に予定された支払いが遅れていることを通知している。

 また、経済情報専門サイトのマーケットウォッチによると、イエレン米財務長官は10日、シリコンバレーバンクの破綻について、「同行は非常に注意深く監視している数少ない銀行の1つだった」と述べており、警戒感を示している。総資産が100億ドル超の米国の108行のうち、22年12月末時点で多額の有価証券の未実現損失を抱える銀行は少なくとも20行に達している。ニューヨーク・ポスト紙もシリコンバレーバンクの破たんが他の地銀や中規模行の取り付け騒ぎに発展する恐れがあると報じている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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