米2月コアCPI、前月比0.5%上昇―前年比5.5%上昇、市場予想と一致

経済

2023/3/15 9:18

<チェックポイント>

●シェルター価格や航空運賃の伸びが加速

●全体指数は前月比0.4%上昇、前年比6.0%上昇―市場予想と一致

●市場は利上げサイクル継続を見込む

 米労働省が14日に発表した2月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.5%上昇と、1月の0.4%上昇や市場予想の平均値である0.4%上昇を上回った。前年比は5.5%上昇と、1月の5.6%上昇を下回り、市場予想と一致した。

 エネルギーと食品を含めた全体指数(季節調整後)は前月比0.4%上昇と1月の0.5%上昇を下回り、市場予想の0.4%上昇と一致。前年比も6.0%上昇と1月の6.4%上昇を下回り、市場予想と一致した。

 セクター別の前月比は、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)が0.8%上昇と、前月の0.7%上昇を上回り、輸送サービスは前月の0.9%上昇から1.1%上昇に加速。このうち、航空運賃は6.4%上昇と、前月の2.1%低下から5カ月ぶりに加速した。対照的に中古車は2.8%低下と、前月の1.9%低下に続き、8カ月連続で低下。メディカルケアサービス(処方箋代や病院治療費)も0.7%低下と、前月の0.7%低下に続いて2カ月連続で低下している。アパレルは0.8%上昇、新車は0.2%上昇と、前月と変わらなかった。

 エネルギー全体は、原油価格の低下を受け、0.6%低下と前月の2%上昇から下落に転じた。ガソリンは1.0%上昇と、前月の2.4%上昇を下回り、暖房用の重油は7.9%低下と、前月の1.2%低下から低下幅が急拡大。都市ガス料金は8.0%低下と、前月の6.7%上昇から伸びが急減速した。電気料金は0.5%上昇と、前月の伸びと変わらなかった。

 また、食品は0.4%上昇と前月の0.5%上昇から減速した。自宅調理用の食品が0.3%上昇と前月の0.4%上昇から2カ月連続で減速した。

 前年比では、他方、コア指数の前年比の内訳は、シェルター価格が8.1%上昇となったほか、航空運賃が26.5%上昇と急加速。新車は5.8%上昇となったが、中古車は13.6%低下となった。また、食品は9.5%上昇と、10カ月ぶりの低い伸び。エネルギーは5.2%上昇と、8カ月ぶりに減速した。

 統計発表直後、寄り付き前のニューヨーク市場では政策金利に敏感な2年国債利回りが急伸した。利回りの急伸はシリコンバレーバンクの経営破たんを受けた政府による金融システムの安定化のための緊急措置が寄与したこともあるが、市場では金融不安懸念よりもインフレ懸念を優先、利上げサイクルを継続すると見ており、金利先物市場ではCPI統計発表を受け、3月会合での0.25ポイントの利上げ確率を約85%織り込んだ。

提供:ウエルスアドバイザー社

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