ブロードエンタープライズ・中西良祐社長に成長戦略を聞く――マンションの入居率向上施策で浮上

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2023/3/22 9:00

 ブロードエンタープライズ(4415)は、マンション一括型インターネットサービスを提供しており、マンション向け高速インターネット「B-CUBIC」やIoTインターフォンシステム「BRO-LOCK」が拡大を続ける。不動産オーナーの入居率を高める施策として、これらのシステムのニーズは高く、同社の収益拡大余地は大きい。今後に向けた取り組みを同社代表取締役社長の中西良祐氏=写真=に聞いた。

 ――今12月期(非連結)は売上高36.6億円(前期比22.5%増)、営業利益は3.6億円(同26.2%増)を計画しています。

 前期は売上高が29.9億円(前々期比19.7%増)と拡大した一方、営業利益は2.8億円(同49.3%減)にとどまりました。前期は拠点開設や人財投資などのコスト増が影響しましたが、今期は当社サービスの受注・成約の増加や、不動産デベロッパーなどとの業務提携も寄与することで、増収増益を見通しています。ただ、前期にやや強気な計画を打ち出していたこともあり、今期は慎重な期初計画となります。

 ――御社の展開するマンション一括型インターネットサービスの特徴を教えてください。

 マンション向け高速インターネット「B-CUBIC」は入居者が無料で使えるインターネットサービスで、空室に悩む不動産オーナーの入居率向上につながるツールとして高い需要を得ています。また、「BRO-LOCK」はマンションのエントランスをオートロック化するためのIoTインターフォンシステムとなり、スマートフォンアプリを利用することで、自宅外でも来客対応が可能になるなど利便性が高いサービスとなります。これらのシステムは「初期導入費用0円プラン」により、オーナー負担を軽減する独自システムで提供しており、競合他社との差別化につながっています。

 ――マンションなどにおけるインターネットサービスの市場成長余地は大きいのでしょうか?

 新築・既築マンションなどにおけるWi-Fiネットワークの市場規模は、2020年時点で約2600億円程度、IoT(モノのインターネット)によるスマート化市場規模(機器連携やセキュリティーなど)は約3.3兆円とみており、大きなポテンシャルがあります。また、賃貸マンション市場の空室率は18年時点で約20%と高く、空室対策の必要性は依然高水準です。

 ――不動産会社や不動産デベロッパーとの業務提携が加速しており、株価も好反応を示しています。

 昨年8月にミサワホーム不動産(東京都新宿区)と提携し、同社が管理する賃貸物件の所有者に「B-CUBIC」および「BRO-LOCK」の提供を開始すると発表しました。また、三菱地所(8802)やプロパスト(3236)などとも関係を強化しており、さらなる顧客獲得につながると見通しています。これらのパートナー施策の推進により、代理店による販売が拡大し、営業人材不足などによる影響を受けない売上成長が期待できます。

 ――配当に関する考え方を聞かせてください。また、新たに導入した株主優待についても教えてください。

 早期の配当実施を実現するために、減資を予定しています。欠損てん補により減資実施し、早期の配当実施に向けた体制を構築する方針です。

 また、22年12月期末時点で2単元(200株)以上を保有している株主を対象に、宝くじ10枚を贈呈する株主優待制度を導入しました。高額当選を誇る宝くじ売り場で(代表)自らが購入した宝くじを贈呈することで、株主の方と楽しさを共有できればと考えています。

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