日経平均は317円高と大幅に3日続伸、朝高後に伸び悩むも33年ぶり高値水準=29日後場

 29日後場の日経平均株価は前週末比317円23銭高の3万1233円54銭と大幅に3営業日続伸。22日に付けたバブル経済崩壊後の最高値(終値3万1086円82銭)を上回り、1990年7月以来約33年ぶりの高値水準となった。

 朝方は、買いが先行した。現地27日にバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が米債務上限問題で基本合意し、好感された。前週末の米国株高に続き、日本時間29日の時間外取引で米株価指数先物が上昇し、円安・ドル高も支えとなり、日経平均は前場早々に3万1560円43銭(前週末比644円12銭高)まで上伸した。ただ、一巡後は利益確定売りに伸び悩み、後場序盤には3万1164円00銭(同247円69銭高)まで押し戻された。その後持ち直したが、戻りは限定された。

 日経平均プラス寄与度では、ソフバンG<9984.T>の85円強を筆頭にアドバンテスト<6857.T>が46円強、KDDI<9433.T>が13円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、海運、卸売、銀行、保険など30業種が値上がりし、陸運、食料品、小売の3業種が値下がりした。東証プライム銘柄の61.8%が上昇した。

 東証プライムの出来高は11億9414万株、売買代金は3兆5095億円。騰落銘柄数は値上がり1135銘柄、値下がり603銘柄、変わらず97銘柄。

 市場からは「水準的には高過ぎで、過熱感への警戒はあるが、一方で海外投資家の継続買いを背景に好需給が続いており、下がりにくい状況だ。上昇トレンドだが、適度な調整が欲しいところでもある」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株が上昇。住友商<8053.T>、三井物産<8031.T>、三菱商<8058.T>、丸紅<8002.T>などの卸売株も高い。三井住友<8316.T>、三菱UFJ<8306.T>、みずほ<8411.T>などの銀行株や、MS&AD<8725.T>、東京海上<8766.T>、第一生命HD<8750.T>などの保険株も買われた。INPEX<1605.T>、K&Oエナジ<1663.T>などの鉱業株も引き締まった。ニコン<7731.T>、オリンパス<7733.T>、テルモ<4543.T>などの精密株や、ソフトバンク<9434.T>、NTTデータ<9613.T>などの情報・通信株も値を上げた。

 半面、京急<9006.T>、JR九州<9142.T>などの陸運株がさえない。ニチレイ<2871.T>、キリンHD<2503.T>などの食料品株や、ウエルシアH<3141.T>、ツルハHD<3391.T>、パンパシI<7532.T>などの小売株も安い。

 個別では、PHCHD<6523.T>、YACHD<6298.T>、シンプレHD<4373.T>などが値上がり率上位。半面、Jマテリアル<6055.T>、ダイヤHD<6699.T>、JPHD<2749.T>などが値下がり率上位。

(写真:123RF)

提供:ウエルスアドバイザー社

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