【深センIPO】海外向け家庭用品設計販売の致欧家居科技が12日に公募開始、4015万株発行予定

サーチナ

中国株

2023/6/12 9:21

 深セン証券取引所の創業板への上場を目指す、致欧家居科技(301376/深セン)が6月12日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。4015万株を発行予定で、公募価格は24.66元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2010年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。河南省鄭州市に本社を構え、「SONGMICS」などの自社ブランドによる家具などの製品の研究開発、設計、販売を主業務としている。生産は全て外部に委託するファブレス経営。製品は主にテーブルやチェアなどの家具製品、家庭用収納製品、ガーデニング・健康製品、ペット関連製品に分かれており、22年12月期の売上構成は家具製品が48.90%、家庭用収納製品が34.74%、ガーデニング・健康製品が9.89%、ペット関連製品が7.02%となっている。

 また、販売チャネル別ではECプラットフォーム販売が80.53%を占めており、その大部分がアマゾンを通じた売上となっている。企業向け販売は19.47%で、やはりアマゾンを通じた取引が多い。地域別では欧州が56.99%、北米が41.73%、日本が0.87%、オーストラリア、サウジアラビア、キプロス、韓国などのその他が0.41%となっており、ほとんどが海外向けの販売だ。各国・地域のアマゾンでは、多くの製品が「ベストセラー」や「アマゾンズチョイス」製品に選ばれている。

 同社は10年以上に渡り越境ECビジネスに特化し、幅広いジャンルの製品を開発、販売していること、一定のブランド知名度を持っていること、国内外の自営倉庫や第三者倉庫を組み合わせた充実した倉庫物流体制を確保していること、品質管理力の高さなどを強みとしている。一方で、売上が欧米地域に偏っており、今後大きな需要が期待できる中東や東南アジアなど新興市場での知名度や売上が少なく、市場開拓をさらに進めていくことが大きな課題となっている。

 22年12月期の売上高は54億5538万元(前期比8.58%減)、純利益は2億5011万元(同4.29%増)。23年1〜3月期の売上高は12億6746万元(同11.18%減)、純利益は8737万元(同69.87%増)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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