【為替本日の注目点】ドル円140円台を回復

為替

サーチナ

2023/7/21 10:05

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は東京時間では日経平均株価が大きく下げたことでジリ安となり、139円10銭近辺まで売られる。欧州ではやや反発し、NYでは失業保険申請件数が予想に反して減少していたことでドルがさらに反発。140円台を回復し、140円49銭までドル高に。ユーロドルでもドル高が続き、ユーロは1.1119前後まで下落。株式市場はまちまち。ダウは163ドル上昇し、約6年ぶりの9連騰を記録。一方ナスダックはテスラやネットフィリックスの決算発表を受け大幅に売られる。債券は大きく売られ、長期金利は3.85%台に上昇。金は反落し、原油は小幅に反発。

マーケット情報

新規失業保険申請件数 → 22.8万件

7月フィラデルフィア連銀景況指数 → -13.5

6月中古住宅販売成約件数 → 416万戸

7月景気先行指標総合指数 → -0.7%

ドル/円 139.58 ~ 140.49

ユーロ/ドル 1.1119 ~ 1.1207

ユーロ/円 155.75 ~ 156.55

NYダウ +163.97 → 35,225.18ドル

GOLD -9.90 → 1,970.90ドル

WTI +0.28 → 75.63ドル

米10年国債 +0.102 → 3.850%

本日の注目イベント

日 6月消費者物価指数

英 6月小売売上高

米 企業決算 →アメックス

加 5月小売売上高

 前日のNYで140円手前まで上昇したドル円でしたが、やはり来週の日銀決定会合では「政策据え置き」観測が底流にあるのか、ドル円はNYでは140円台半ばまで上昇しました。東京時間では材料が無い中、唯一株価の動きが短期的なドル円の方向を左右する状況が続いていますが、昨日は日経平均株価が400円を超える下げを見せたことが「円買いドル売り」につながり、ドル円は昼前には139円10銭近辺まで押し戻されました。その後欧州市場にかけては反発しましたが、NYに入ると経済指標に反応して、およそ1週間ぶりに140円台を回復。140円49銭までドルが買い戻されています。「24万件」と予想されていた週間失業保険申請件数が「22.8万件」に減少していたことで、労働市場は依然好調との見方からFRBによる利上げ継続の連想が働き、金利上昇がドルを押し上げる結果になりました。失業保険申請件数の水準は約2カ月ぶりの低水準でした。

 足元のドル円は来週行われる日銀決定会合を織り込む形で動いていますが、どうやら「変更なし」が市場のコンセンサスとして定着した模様です。筆者も予想の修正を迫られています。ここまで来ると、さすがに来週の発表では「サプライズ」はないと思われますが、今朝8時半に発表される日本の6月の消費者物価指数(CPI)の結果は非常に注目されます。本稿執筆時点ではまだ発表されていませんが、予想は総合で前年比「3.2%」と、5月から横ばいと見られています。

 一方米国に目を向けると、25-26日のFOMC会合で0.25ポイントの利上げは確実ですが、市場の関心は年内にさらにもう一度追加利上げがあるのかどうかという点に移っています。いまのところ五分五分と見ていますが、バーナンキ元FRB議長はフィデリティ主催のウェビナーで「7月の利上げが最後となることはあり得る」と述べています。バーナンキ氏は、「インフレ率は向こう6カ月で3-3.5%へと、より持続的に低下すると見ている。家賃の上昇幅が縮小し、自動車価格が下落する」ことをその理由に挙げ、「FOMCはそこから時間をかけて2%目標に押し下げようとするだろう」と語っています。また「FRBがインフレとの闘いで勝利を宣言するには、その前に労働市場で需給バランスの改善を確認したいだろう」と指摘し、「依然としてかなりホットだ」と述べています。米景気のリセッションについても「向こう1年で深刻なリセッションになるとすれば、非常に驚く」と話していました。(ブルームバーグ)元FRB議長の目には、インフレはとうにピークを越え、米景気は総じて楽観的に推移しているように見えるということでしょうか。

 ドル円は6月30日に145円07銭の直近高値まで買われた後下落に転じ、先週14日には137円25銭までドル高の修正が進みました。結局、日足の「一目均衡表」では、下落して雲入りはしたものの雲に支えられている状況です。上記下落幅を「フィボナッチ・リトリースメント」での38.2%戻しは、昨日のNYで超えています。目先は4時間足の雲の上限や重要な移動平均線が集まる140円70銭~141円辺りが次の抵抗帯かと思います。

 本日のドル円は139円~141円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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