【為替本日の注目点】ドル円は142円台半ばに反発
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ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は141円台から反発。ボウマンFRB理事が改めて追加利上げの必要性に言及し、米金利が上昇。株価も上昇し、リスクオンの流れから142円59銭までドルが反発。ユーロドルは1.10を挟みもみ合う。株式市場は3指数が揃って反発。バークシャーが上場来高値を更新する一方アップルは続落。ダウは407ドルと大幅に上昇。債券は反落。長期金利は4.08%台に上昇。金と原油は反落。
マーケット情報
6月消費者信用残 → 17.847b
ドル/円 141.82 ~ 142.59
ユーロ/ドル 1.0980 ~ 1.1011
ユーロ/円 156.03 ~ 156.85
NYダウ +407.51 → 35,473.13ドル
GOLD -6.10 → 1,970.00ドル
WTI -0.88 → 81.94ドル
米10年国債 +0.055 → 4.088%
本日の注目イベント
豪 豪8月ウエストパック消費者信頼感指数
豪 豪7月NAB企業景況感指数
日 6月国際収支・貿易収支
日 7月景気ウオッチャー調査
中 中国 7月貿易収支
独 独7月消費者物価指数(改定値)
米 6月貿易収支
米 ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、経済見通しについて講演
加 カナダ6月貿易収支
ドル円は141円台から反発し、NYでは142円台半ばまで買われています。ドルの上値は若干重くはなったものの、140円を一気に割り込む地合いでもありません。今週は米7月の消費者物価指数(CPI)の発表もありますが、当面は140-145円のレンジ内で推移する可能性が高いと見ています。
米インフレ率が順調に減速傾向を見せている中、年内にあと3回残っているFOMC会合で追加利上げがあるのかどうかが焦点になっており、その結果が今後の相場の行方を左右するとみられます。昨日はそのFOMC会合でも重要な立場にいる二人がやや異なった見解を示しています。先週末にも2%の物価目標を達成するためには、追加利上げが必要になるとの認識を示したFRBのボウマン理事は、この日改めて追加利上げが必要になる可能性に言及しています。ボウマン理事はアトランタで開催されたFRB関連のイベントで、「私は7月のFOMC会合でフェデラルファンド(FF)金利の引き上げを支持した。インフレ率をFOMCの目標に低下させるには、追加利上げが必要になる可能性が高いと想定している」と改めて述べ、さらに「今後発表されるデータ次第になる」と付け加えています。
一方、FOMC会合では議長を務めるNY連銀のウイリアムズ総裁はNYタイムズ(NYT)との2日のインタビューで、「金融政策は好ましい位置にある。政策はあるべきところにある。ピーク金利の観点でこれを調整する必要があるかどうか、また景気抑制的なスタンスをどれくらい長く続ける必要があるかはデータ次第になる」と述べその上で、「景気抑制的なスタンスを当面は維持する必要があると想定している」と話しています。ただ、「追加利上げの必要性については、議論の余地がある」とも語り、「インフレ率が下がり続ける場合、実質金利がさらに上がらないよう、2024年か25年に金利を引き下げる必要があるかもしれない」との見解を示しました。(ブルームバーグ)このインタビューは2日に行われましたが、7日に同紙に掲載されたようです。まだかなり先の話ですが、FOMCにおける重要幹部の一人が「利下げ」に言及したのは、筆者の記憶では初めてのことと思います。NY連銀総裁は、12ある地区連銀の中でも「別格」です。他の地区連銀総裁は輪番でFOMCでの投票権を与えられますが、NY連銀総裁だけは常に投票権を有しています。また、買いオペなどの金融市場での操作もNY連銀が行うことから、FRBに最も近いと言えます。基本的には今後のデータ次第ということですが、「利下げ」という言葉を口にしたということは、今後のインフレ率の減速にも自信があるということの裏付けと取れないこともありません。今後他のメンバーの発言にも変化が出て来るのかどうか注目しておきたいと思います。
中国が異例のロシア批判を行いました。中国人観光客がカザフスタン経由でロシアに入国しようとしたところ、4時間にわたる事情聴取を受け、入国を拒否されたことに対して、モスクワの中国大使館は、「ロシアの野蛮かつ過激な法執行は中国国民と合法的な権利と利益を著しく侵害している」と、中国のソーシャルメディア、微信(ウィーチャット)に投稿しました。在ロシア中国大使館によると、中国人5人の観光客は4時間にわたり事情を聴かれ、その後入国を拒否され、観光ビザ(査証)も取り消されたと説明しています。これで中ロの蜜月関係にヒビが入ることはないとは思いますが、異例のことと思われます。
本日のドル円は141円50銭~143円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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