【為替本日の注目点】WTI原油価格一時94ドル台に急騰

為替

サーチナ

2023/9/28 10:22

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は連日同じような展開が続き、NYでは149円71銭までドル高が進み、150円テストの機運が高まる。ユーロドルも続落し、一時は1.0488まで売られる。今年1月6日以来となるユーロ安水準に。株式市場は米金利がさらに上昇したが、まちまちの展開。ダウは続落し、他の2指数は小幅高。債券は続落し、長期金利は一時4.64%台まで上昇。金は大幅に続落し、今年3月以来となる1890ドル台に。一方原油価格は急騰。米国内最大の原油貯蔵拠点であるオクラハマ州クッシングの在庫水準が2022年7月以来の水準に低下したことが材料に。

マーケット情報

8月耐久財受注 → 0.2%

ドル/円 149.15 ~ 149.71

ユーロ/ドル 1.0488 ~ 1.0552

ユーロ/円 156.95 ~ 157.40

NYダウ -68.61 → 33,550.27ドル

GOLD -28.90 → 1,890.90ドル

WTI +3.29 → 93.68ドル

米10年国債 +0.072 → 4.604%

本日の注目イベント

豪 豪8月小売売上高

独 独9月消費者物価指数(速報値)

欧 ユーロ圏9月消費者信頼感(改定値)

欧 ユーロ圏9月景況感指数

欧 ECB経済報告

独 独9月消費者物価指数(速報値)

米 新規失業保険申請件数

米 4-6月GDP(確定値)

米 8月中古住宅販売成約件数

米 グールズビー・シカゴ連銀総裁講演

米 パウエル・FRB議長。タウンホール会議を主宰

米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演

米 クック・FRB理事、フォーラム開会の挨拶

 ドル円は連日同じような展開を見せ、「一歩後退・二歩前進」の歩みを続けています。昨日のNYでは149円71銭まで緩やかにドル高が進行しましたが、昨日は円よりもむしろユーロで「ドル高・ユーロ安」が加速した印象です。

 ユーロドルは今年1月初旬以来となる1.05台割れまで売られ、テクニカル的にも重要な値位置に来ています。ECBは次回理事会でも追加利上げの可能性を残してはいますが、景気減速が確認される状況の中、理事会内部ではさらなる利上げは回避すべきとの意見も高まっています。フランス中銀のビルロワドガロー総裁はパリでの講演で、「これからはやり過ぎのリスクと、引き締めが十分でないことのリスクのバランスを取る必要がある」と指摘し、「『壊れるまでテストする』というのは金融政策を調整する上で賢明な方法ではない」と述べ、利上げを望まない姿勢を示しています。また、スペイン中銀のデコス総裁も、「現行水準を長く維持すれば、インフレ率は2%目標に速やかに到達できる公算が極めて高い」と述べ、利上げには慎重な見方を示しています。一方、ドイツ連銀やオランド中銀総裁はタカ派的なスタンスを維持し、追加利上げを主張しています。ECBを率いるラガルド総裁は25日の講演では、「景気が厳しい中でもインフレ抑制に必要な限り、金利を高水準に維持する」と改めて述べたものの、利上げの有無については「長いレースだ」と述べるにとどめています。不動産バブルの崩壊に伴い中国景気が急速に悪化しており、その中国との経済的結びつきが強いユーロ圏では、その影響がジワジワと及んで来る気配があり、これ以上の利上げには慎重になるべきだとする声も大きくなっている状況です。

 米債券が売られ、長期金利は4.64%近辺まで上昇し、これがドルを押し上げる展開になっています。米長期金利の上昇は、昨日発表された米戦略的石油備蓄の在庫水準が予想を超える低水準だったことで買いが殺到したようです。米最大の原油貯蔵拠点であるクッシングの在庫は2200万バレル弱と、貯蔵能力の25%まで落ち込んだ(ブルームバーグ)と報告されており、他の地域での在庫も減少が続いているとのことです。原油価格の高騰は米インフレの抑制には逆風となり、これが債券と株の下落を誘いドル買いへと伝播した格好でした。一方、原油価格の高騰は言うまでもなく日本の貿易赤字を拡大させ、ドル買い需要につながり、円安要因と見られることにもなります。日本の消費者物価指数(CPI)の上昇にも影響を及ぼしやすく、年末には2%を割り込むと予測する日銀にとっても政策変更圧力が高まることにもなります。「原油価格は100ドルを目指す」といった声も多くあります。

 ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、政府機関の閉鎖や自動車労組のストライキに触れ、「このような下振れシナリオが米経済を直撃した場合、インフレ率を2%に下げるための金融政策を縮小する必要が生じるかもしれない。政府機関の閉鎖や自動車ストライキはわれわれに代わって景気を鈍化させる恐れがあるからだ」とCNNのインタビューで述べています。同時に、「利上げが期待通りに景気を減速させられないのでれば、金利をもっと引き上げなければならないかもしれない」とも話し、今後の展開と発表されるデータ次第との立場を示しました。ブルームバーグは、政府機関が閉鎖に追い込まれ、新会計年度が始まる10月1日までに予算が手当てできなければ、連邦ビルの清掃業者など、政府請負業者が直面する売上げ高の損出や遅延は1日当たり最大で19億ドル(約2800億円)に上り、閉鎖期間中は約130万人の現役軍人に加え、民間部門では200万人の連邦政府職員が給与を受け取れなくなると試算しています。

 本日はいよいよ150円テストの可能性があります。「実弾介入」があるのか、ないのか、焦点はそこだけです。ドル円は148円~150円50銭程度を見ています。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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