FOMC議事録、大半の委員があと1回の利上げ適切と判断

経済

2023/10/12 8:57

<チェックポイント>

●一部は据え置きを支持―「会合ごとに慎重に行うことで一致」

●先行きの不確実性高いとし、過度な利上げにも慎重な姿勢

●金融引き締めサイクル終了後もバランスシート縮小の継続を確認

 FRB(米連邦準備制度理事会)が11日に公表した、9月19-20日開催分のFOMC(公開市場委員会)議事録では、多くの委員が今後の会合で政策金利をあと1回引き上げることが適切と判断していたことが分かった。ただ、一部の委員は据え置きを支持する考えを示しており、全体の結論としては、「会合ごとに新たなデータと、それが経済見通しに与える影響やリスクのバランスに基づいて慎重に行うことで意見が一致した」とし、金融政策については会合ごとに慎重なアプローチで進める考えを強調した。

 また、インフレが物価目標に向かって持続的に低下していると確信するまで、しばらくは制限的な政策を維持すべきとの意見で一致しており、追加利上げか、現在の金利水準を据え置くことにより、制限的な金融引き締め政策の持続の必要性を指摘している。

 複数の委員は、政策金利がピークかそれに近い水準にある可能性が高いことを考慮し、金融政策の決定と市場との対話の焦点は政策金利をどの程度まで引き上げるかという視点から政策金利を抑制的な水準にどれくらいの期間維持するかに転換すべきだと主張している。また、「少数の委員は、しばらくの間、金融政策のスタンスを測る上で政策金利であるフェデラル・ファンド金利の実質金利の動向を注視することが重要であると指摘した」としている。

 すべての委員が金融政策の制限的なスタンスの維持で意見が一致したのは、FRBに金融政策の進捗状況を評価する時間が与えられ、物価目標の達成に向けてさらなる進展がもたらされる可能性が高いとの考えが背景にある。

 一方、「大多数の委員は引き続き、経済の先行きについては不確実性が高いとの判断を示した」とし、過度の利上げに対しては慎重な姿勢を示している。強い雇用市場にもかかわらず、経済活動の下ブレリスクや失業率の上ブレリスクが引き続き存在するとし、労働組合のスト長期化や世界景気の後退など経済見通しに対するリスクを考慮し、適切な追加利上げの程度を慎重に判断する必要性を強調した。

 バランスシートの規模縮小については、「保有債券を削減するプロセスを継続することがマクロ経済の目標達成で重要であると判断」し、規模縮小の期間についても、利下げを開始したあとも、しばらくは国債のロールオーバー(持ち越し)をしないとし、利下げ後もバランスシートの規模縮小を継続すべきとしている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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