香港前場:ハンセン1.0%高で3日ぶり反発、上海総合は0.4%下落
20日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比167.70ポイント(1.02%)高の16672.70ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が45.58ポイント(0.81%)高の5638.34ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は442億5680万香港ドルとなっている(19日前場は419億5510万香港ドル)。
米株高を好感した買いが先行する流れ。昨夜の米市場では、米利下げ期待を引き続き手がかりに主要指標のNYダウが前日比0.7%高と9日続伸し、5営業日連続で史上最高値を更新している。中国経済の過度な先行き不安もやや薄らぐ。中国人民銀行(中央銀行)の高官は19日、中国は条件次第で2024年経済成長率の5%を達成できるとの認識を示したうえで、政府は金融面での経済支援を強化する余地があると説明した。市場関係者の間では、預金準備率の引き下げ観測も流れている。ほか、国家発展改革委員会の報道官は19日、24年の消費者物価指数(CPI)は緩やかに上昇するとの見通しを明らかにし、デフレ脱却に自信を示した。また、香港政府は19日、8年間停止していた「資本投資者入境計画」(投資移民プログラム)を再開すると発表。香港や隣接するマカオなどの経済が活性化するとの期待も広がった。一方、朝方公表された実質的な政策金利となる最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、予想通り1年物、5年物いずれも現行水準(それぞれ3.45%、4.20%)に据え置かれている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が5.7%高、マカオ・カジノの金沙中国(1928/HK)が4.9%高、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が3.7%高と上げが目立っている。碧桂園服務株は昨日、2023年12月通期業績の弱気見通しが嫌気され11.7%安と急落していた。
セクター別では、カジノ関連が高い。上記した金沙中国のほか、永利澳門(1128/HK)が6.1%、新濠国際発展(200/HK)が4.8%、澳門博彩HD(880/HK)が3.5%、美高梅中国HD(2282/HK)が2.3%ずつ上昇した。
中国の発電セクターもしっかり。華電国際電力(1071/HK)が3.6%高、華能国際電力(902/HK)が3.2%高、華潤電力HD(836/HK)が1.9%高、龍源電力集団(916/HK)が1.6%高で引けた。華潤電力が報告した11月の売電量は前年同月比で13.9%増加し、3カ月連続でプラス成長を達成。セクター全体の支援材料となった。
中国不動産セクターも物色される。上述した碧桂園服務のほか、百仕達HD(1168/HK)が5.0%高、華南城HD(1668/HK)が3.6%高、中国奥園集団(3883/HK)が2.9%高、中国海外宏洋集団(81/HK)が2.5%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.40%安の2920.63 ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が安い。ハイテク株、不動産株、証券株、海運株、メディア・娯楽株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。公益株、素材株、銀行株も買われた。(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)
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