【為替本日の注目点】今夜の米CPIに注目

為替

サーチナ

2024/4/10 10:17

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は今夜の米CPIの結果を見極める雰囲気の中、東京時間朝方には再び151円94銭まで買われた。介入警戒感が依然強くNYでは米金利の低下に151円58銭まで売られる場面も。ユーロドルは動意もなく、1.08台前半から半ばでもみ合い。株式市場はこの日もまちまちの展開。ダウは小幅に売られたものの、ナスダックとS&P500は小幅高。債券は反発。長期金利は4.36%台に低下。金は続伸し最高値を更新。原油は中東情勢の緊張緩和観測から続落し85ドル台に。

マーケット情報

ドル/円 151.58 ~ 151.82

ユーロ/ドル 1.0848 ~ 1.0885

ユーロ/円 164.54 ~ 165.17

NYダウ -9.13 → 38,883.67ドル

GOLD +11.40 → 2,362.40ドル

WTI -1.20 → 85.23ドル

米10年国債 +0.058 → 4.362%

本日の注目イベント

英 英3月消費者物価指数

米 3月消費者物価指数

米 3月財政収支

米 FOMC議事録(3月19-20日分)

米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、パネルディスカッションに参加

米 ボウマン・FRB理事講演

米 日米首脳会談(ワシントン)

加 カナダ中銀政策金利発表

 ドル円は昨日朝方にはじりじりと買われ、再び151円94銭まで上昇しましたが、まるでそこに「壁」があるかのようにピタリと止まり152円には届きません。NYでは今夜の米消費者物価指数(CPI)の発表を前に債券を買い戻す動きが見られ、長期金利の低下にドル円は151円58銭まで売られています。言うまでもなく今夜のCPIが極めて重要な意味合いを持ち、その結果次第ではFRBによる利下げ開始が「7月会合」にずれ込む可能性もあります。現時点では「6月会合」での利下げ開始がコンセンサスですが、今回と、次回のCPIの結果が注目されます。

 年内1回の利下げを予想するアトランタ連銀のポスティック総裁は9日、改めてその認識を示す一方で、経済情勢が変化すれば見解を変更する可能性も排除しないと述べています。総裁はヤフー・ファイナンスのライブで、「リスクは均衡していると私は見ており、米経済が極めて堅調で力強く、強靭なことを考えると、利下げがさらに遠のく可能性も排除できない。しかし、労働市場に大きな痛みが生じることを示唆する別のシグナルが出始めたら、政策スタンスを変更し、おそらく利下げを始めることに私はオープンだ」と話しています。総裁はこれまでの発言で、年1回の利下げの時期も今年10―12月(第4四半期)と予想しています。一方、久々にその名前を目にしました。セントルイス銀行の前総裁であるブラード氏です。ブラード氏は、米国でインフレが加速した際に早くから大幅な利上げに踏み切り、インフレが手に負えなくならないうちに止めるべきだと何度も警告していた「慧眼」の持ち主でした。実際総合CPIは、2022年6月には9%を超える水準にまで急騰しました。現在、パデユ―大学ビジネススクールの学部長を務めるブラード氏は「現状では恐らくFOMCとパウエル議長の発言を額面通り受け止めるべきだ。現時点で彼らの最も有力な予測は引き続き今年3回の利下げだ。それが基本シナリオだ」と述べていました。(ブルームバーグ)

 植田日銀総裁は9日参議院財政金融委員会で「基調的な物価の上昇率はまだ2%を下回っていて、緩和的な金融状態を維持することが大切だ」と述べ、「見通し通りに2%に向けて上がっていけば、金融緩和を少し緩める判断も可能だ」と発言しています。今夜のCPIが上振れし、円安がさらに進行すれば、円の金利を引き上げる可能性も高まってきそうです。総裁はこれまでにも「為替の水準で金融政策を行っているわけではない」と、あくまでも為替と金融政策は別物だと言って来ましたが、さらなる円安の主因が金利差である以上、円安が進むに連れ、利上げへの圧力は高まりそうです。

 本日のドル円は150円50銭~152円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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