<新興国eye>ハンガリー中銀、予想通り0.5ポイント利下げ―今後も利下げペース鈍化を示唆

新興国

2024/4/26 8:50

 ハンガリー中央銀行は23日の金融理事会で、主要政策金利であるベース金利(準備預金への付利金利)を0.50ポイント引き下げ、7.75%とすることを決めた。市場の大方の予想通りだった。

 また、中銀は他の主要政策金利についてもベース金利の上下幅(コリドー)の下限を示す翌日物預金金利を6.75%、また、上限を示す翌日物有担保貸出金利も8.75%と、それぞれ同率引き下げた。

 中銀はウクライナ戦争の勃発(22年2月24日)でインフレが加速したため、22年9月会合まで17会合連続で利上げを実施したが、利上げ幅が計12.40ポイントに達し、金利水準も22年9カ月ぶりの高水準となったため、22年10月会合から据え置きに転換、23年9月会合まで12会合連続で据え置いた。しかし、最近のインフレの鎮静化を受け、同10月会合で、コロナ禍の20年7月以来、3年3カ月ぶりに利下げに転換、今回で7会合連続となった。

 中銀は今後の金融政策について、「ハンガリー経済のディスインフレは続いているが、外需と内需の圧力は依然として低いままだ」とした上で、「こうしたインフレ見通しを踏まえると、以前よりも緩やかなペースでさらに金利を引き下げる必要がある」、また、「国内のディスインフレの持続的な継続を巡るリスクにより、今後数カ月は金融政策に慎重かつ辛抱強く取り組む必要がある」とし、引き続き、利下げペースを減速する方針を示した。

 市場では過度な追加利下げが通貨フォリント安を進行させるため、今後も中銀は利下げペースを遅らせ、6月までに最終金利を6.50-7.00%にすることを目指していると見ている。今後、毎月0.50ポイントの利下げをあと2回実施する可能性がある。

 利下げペースをめぐって、政府は景気刺激のため、中銀に対し、より大幅な利下げを求めているが、年央に通貨安による輸入インフレの上昇やベース効果で一時的にインフレが加速、最近のディスインフレ傾向が反転するリスクがあるため、6月まで利上げペースは鈍化、その後は利下げの一時停止の可能性がある。

 次回の金融政策決定会合は5月21日に開かれる予定。

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 上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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