<新興国eye>前週の上海総合指数、景気指標悪化や人民元安を受け3週続落=BRICs市況
2024/6/3 9:06
前週(5月27-31日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで3週続落。31日は3086.81(24日終値比0.07%安)だった。
週明け27日は指数が上昇、翌28日は反落した。29日は小反発、30日は急反落した。
週前半は、1-4月工業部門企業利益が前年比4.3%増となり、特に4月単月は同4%増と、3月の同3.5%減から増加に転じたことから景気刺激策効果が出始めたとの思惑が強まり、買いが優勢となった。また、政府が半導体産業の強化に向けた新しい政府系投資ファンドを設立したことが好感され、半導体関連セクターが急騰、上げをけん引。その後は、FRB(米連邦準備制度理事会)が最も重視している4月コアPCE(個人消費支出)物価指数の発表を間近に控え、小動きとなる中で売りが強まった。
週後半は、IMF(国際通貨基金)が24年の中国GDP伸び率見通しを前年比5%増と、従来予想の同4.6%増から上方修正したことが好感され、買いが優勢となった。その後は、不動産セクターが利食い売りに押され、急落したことや、人民元安が6カ月ぶり安値近くまで進んだことが重石となり、売りが広がった。
週末31日は続落。中国5月製造業PMI(購買担当者景気指数)が好不況の分かれ目である50の予想に反し、下回ったことが嫌気され、売りが一段と強まった。
今週(3-7日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は3日の5月CAIXIN(財新)中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や5日の5月CAIXIN(財新)中国サービス業PMI、7日の5月貿易収支など。
<関連銘柄>
上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、
H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、
南方A50<1576.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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