<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油安と対ロ制裁懸念で反落=BRICs市況

新興国

2020/9/7 10:11

 前週(8月31日-9月4日)のロシア株式市場はRTS指数(ドル建て)の4日終値が前日比0.26%安の1220.01、前週比でも3.60%安となり、大きく反落した。

 週明け8月31日の指数が反落して始まった。海外市場が軟調となったほか、ルーブル安が重なり、ロシア市場でも売りが優勢となった。

 9月1日は反発。中国8月財新製造業PMI(購買担当者景気指数)と米8月ISM(サプライマネジメント協会)製造業景況指数がいずれも好結果となったことや、ブレント原油先物がドル安を反映し、1バレル=45.9ドルに上昇したことが好感され、ロシア株には買い戻しが広がった。

 2日は急反落し、週末4日まで3日続落した。

 2日は、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナヴァルヌイ氏の毒殺未遂事件に絡んで、西側による新たな対ロ制裁懸念が広がったことや、OPEC(石油輸出国機構)プラスでイラクが21年1-3月期に減産規制の解除を求めていることを受け原油先物価格が44.5ドルに急落したことが嫌気され、指数を大きく押し下げた。

 3日も、ナヴァルヌイ氏の毒殺未遂事件をめぐり、米・英・独・仏がロシア政府に事実究明を求めたことから、対ロ制裁懸念が広がり、軟地合いが続いた。

 4日は、海外市場が軟調となり、ロシア株の売りが一段と強まった。

 今週(7-11日)のロシア市場は引き続き、新型コロナ感染再拡大や世界経済、特に米国経済の動向、米中関係、ロシア国内の景気対策や原油価格、ルーブル相場、主要企業の四半期決算などが焦点となる。また、原油価格に影響を与える9日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や10日の米EIA週間石油在庫統計、さらには旧ソ連・ベラルーシの政治混乱やロシアの野党指導者の毒殺未遂事件に絡んだ西側による対ロ制裁も注目される。主な国内経済指標の発表予定は9日の4-6月期GDP(国内総生産)・改定値や11日の7月貿易収支など。RTS指数の予想レンジは1180-1270ポイント。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、iSエマジン<1582.T>、iS新興国<1362.T>、

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>、iエネルギー<2024.T>

提供:モーニングスター社

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