TDSE・東垣直樹社長インタビュー

ニュース

2021/3/18 17:30

データ活用の可能性を追求

 テクノスデータサイエンス・エンジニアリング(=TDSE、7046・M)はAI(人工知能)を活用したビッグデータ分析を基に、ソリューションや製品の開発、販売を手掛ける。技術、ノウハウを着実に積み上げており、社会的にデータ活用が重要視される中で将来的な成長期待は大きい。2020年6月には社長が交代し、新たに東垣直樹社長が就任した。同社の現状と今後について東垣社長=写真下=に聞いた。

 ――社長就任への思いを聞かせてください。

 「これからの日本を考えると、少子高齢化が進んでいることから、これまでの生活水準を維持するためには『生産性効率』が重要で、成長には『新しい価値創造』が必要になります。製造業をはじめとする産業界では、その重要性がより高いでしょう。当社はそのための技術、ソリューション開発を推進しており、今回、経営の若返りを図ったことで、社会、お客様のニーズに応えるデータサービス開発を加速します。私自身は神戸出身で、阪神・淡路大震災を経験しており、人の役に立ちたいとの思いもあります。今後、データ活用の可能性を追求し、社会に貢献していきたいと考えています」

コロナ禍でリモート化加速追い風

 ――20年から新型コロナウイルス感染症の拡大があり、その中でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の必要性が高まっています。御社の現状はいかがですか。

 「新型コロナウイルス感染症拡大の影響で人と人との接触が厳しくなり、多くの企業でリモートワーク化が進みました。それもあって、デジタルマーケティング活用の重要性が認識され、今3月期第3四半期(昨年10~12月)あたりからは様子を見つつ前向きな動きが出てきています。3月開催の『AI人材育成セミナー』は集客が大変好調です」

サブスクサービスに注力

 ――有望サービスには何がありますか。

 「安定的な収益確保が見込めるサブスクリプションサービスの充実に力を入れています。今期はEYストラテジー・アンド・コンサルティングとDX支援サービスにおける協力を開始するとともに、スマートウィルとのデジタル接客AIプラットフォーム『AICO』の提供も開始しました。また、東京電力パワーグリッド(東電PG)が共同で開発し、18年から東電PGで運用する『架空送電線AI診断システム』について、12月から他の電気事業者向けにも提供も始めています」

 「当社は蓄積されたデータを活用し、新しい価値を生み出すことに注力し、そのノウハウ、経験の蓄積をさらに新しい自社サービスの創出につなげています。その中から世の中にニーズがあるもの、汎用的なものについては、一般的なサービスにカスタマイズし、横展開を図ります。こうしたサイクルを繰り返すことで、サービス拡充、事業拡大を図っていきます。今後はこのサイクルの速度をいかに上げていくかも重要だと考えています」

 ――株主還元についてはどう考えていますか。

 「成長を重視しながらも、安定的な配当は続けたいと思っています。毎期の利益の状況を見ながら、上乗せも考えていくことになるでしょう」

(写真:123RF)

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