和文化の発展と普及で躍進する日本和装 アフター・コロナに注目される新たなビジネスとは?

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2022/3/28 8:30

 きものや帯、和装などの販売仲介を手掛け、きものの着付け教室で知られる日本和装ホールディングス(2499・(2))。前12月期は連結営業利益が大幅回復し、今期も堅調な収益拡大を目指している。日本の伝統工芸品などを国内外に紹介する新たなビジネス展開も模索しており「アフター・コロナ」に向けた注目銘柄の一つとされる。代表取締役社長の道面義雄氏に今後の取り組みについて話を聞いた。

――日本和装の事業内容と、強みを教えて下さい。

「きものなど和装品の販売仲介を展開しています。和装品に特化している点が特徴で、在庫を持たないことで、リスクを限定できるビジネスモデルが強みとなります」

――前12月期業績は連結営業利益が4.5億円(前期比2.8倍)に拡大し、大幅増益となりました。

「コロナ禍で徐々に経済活動が回復しており、その恩恵を受けています。物流網の混乱による海外縫製のスケジュールの遅れなどがありましたが、受注は、ほぼ計画通りに進み、前期の営業利益は従来予想を上回る結果となりました」

「グループ会社ではショッピングクレジットを取り扱う会社などが利益貢献しており、事業の多くをグループ内で完結できる体制が整ってきています」

――今期の業績予想は、営業利益を4.6~5.1億円のレンジで予想しています。

「新型コロナウイルスの感染状況は予想が難しい面があり、昨年同様の状況と、感染が落ち着き経済活動が回復するとの2つのシナリオを元に、やや保守的な予想を打ち出しています。また、EC事業の強化を目的に増資を検討していることを2月に発表しました」

――観光地などでは、着物を着ている人が以前より増えた印象があります。御社の取り組みの成果もあるのでしょうか。

「日本和装はこれまでも、冠婚葬祭などのフォーマル需要ではなく、『おしゃれ着』としてのきものの普及を目的に、着付け教室などを展開してきました。コロナ禍で冠婚葬祭ニーズが大幅に減少していますが、今後はフォーマルだけではない新たな着物の需要が増えると見ており、新たなビジネス展開のチャンスと考えています」

――今後、考えている事業展開について。

「財務体質が強化されており、現段階で決定している事項はありませんが、シナジー効果が生まれる分野でのM&Aなども今後は検討していきたいと考えております。注力していく分野のひとつがEC事業で、これまでも着付け教室などを展開してきましたが、今後はきものや帯に関わらず、日本の伝統工芸品などをネットを通じ国内外に紹介することを検討していきます。また、昨年12月には日本の『家紋』を提案する『家紋登録事業』を始動しました」

「きものを世界遺産にする働きかけも進めています。コロナ禍の前には来日観光客が年間3000万人程度いましたが、今後は再び来日客が増加し、観光事業が日本の大きな柱となると考えています。その中で当社も『メイドインジャパン』の文化を紹介する一翼を担っていきたいと考えています」

――2月には社長自身による自社株買いも発表しました。

「株主との関係を強化する目的で、自社株買いを発表しました。ステークホルダーと喜びも悲しみも共有していきたいという決意を込めています」

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