来週の東京外国為替市場見通し=FOMCで利上げペース鈍化示唆あるか

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2022/10/28 17:25

予想レンジ:1ドル=143円00銭-150円00銭

 10月24-27日のドル・円は下落した。前週末、日銀による為替介入の観測が流れる中、急落した動きに加え、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペースの鈍化観測により上値が抑えられる展開となった。

 この週のドル・円は、週初24日は反発したが、25-27日は3日続落。特に26日は、カナダ銀行(中央銀行)による翌日物金利の利上げ幅が0.50ポイントと、市場予想の0.75ポイントを下回ったことが米国にも波及。米10年債利回りの低下とともにドル・円は下落した。11月1-2日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では0.75ポイントの利上げが確実視されているが、12月会合以降の利上げペースが鈍化する可能性が意識された。27日は米第3四半期GDP(国内総生産)が3期ぶりのプラスとなり予想を上回ったが、米10年債利回りの低下とともにドル・円は下落した。

 最大の注目は11月1-2日に開催されるFOMCとなる。今回の会合では利上げ幅は0.75ポイントが維持される見通しだが、インフレのピークアウト感から12月の会合から利上げ幅が縮小するとの見方もあり、FRBが引き締めペースを落とす手掛かりを探る展開となりそうだ。米経済指標では、10月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、9月貿易収支、10月ISM非製造業景況指数、米10月雇用統計など重要指標が目白押し。

 ドル・円は目先、1ドル=146円を中心にもみ合か。FRBによる利上げペースの鈍化がどれだけ現実味を帯びるかによるが、FOMCまでは様子見となりそう。また、その内容について、積極的に鈍化させるとした場合、1ドル=144円を割り込む可能性が出てくるが、そこまで踏み込むかは不透明。逆に鈍化への期待がしぼむ内容だったとしても1ドル=150円を超えるのは、日本当局の介入観測も強まるだけに難しそうだ。

提供:モーニングスター社

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