<新興国eye>前週の上海総合指数、共産党大会やコロナ感染再拡大を受け続落=BRICs市況

新興国

2022/10/31 9:20

 前週(24-28日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで続落。28日は2915.93(21日終値比4.0%安)だった。

 週明け24日は指数が急反落。翌25日も続落した。26日は反発。27日は反落した。

 週前半は、共産党大会で新指導部体制が決まったが、経済に強い李克強・首相や中国人民銀行(中銀)の易綱・総裁が指導部から除外され、経済からイデオロギーに政策の重点が移されたことや、困窮する不動産業界の支援策が示されず、ゼロコロナ対策が再確認されたことが嫌気され、売りが優勢となった。その後は、人民元安が進行し、売りが一段と強まった。

 週後半は、当局によるドル売り・元買いの市場介入により、人民元の下落が一服したことを受け、買い安心感が広がった。また、人民銀が株式や債券、不動産市場の健全な発展を維持する方針を示したことも支援材料となった。ただ、上海と武漢で新型コロナの感染が拡大、部分的なロックダウン(都市封鎖)が実施されたため、上値は重くなった。その後は、全国工業企業の1-9月利益総額が前年比2.3%減となったことや、コロナ感染再拡大が嫌気され、売りが優勢となった。

 週末28日は続落。引き続き、コロナ感染再拡大とゼロコロナ政策が嫌気され、売りが広がった。

 今週(10月31日-11月4日)の株式市場は新型コロナ感染再拡大や台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は31日の10月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)や1日の10月CAIXIN(財新)中国製造業PMI、3日の10月CAIXIN中国サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

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