海外株式見通し=米国、香港

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2022/12/1 9:30

【米国株】ドル安局面で好まれる金融資産は?

 主要企業の7~9月の売上高は、マクドナルド(MCD)が前年同期比5%減で、ドル高の影響を除く調整後ベースで同2%増となった。コカ・コーラは1割増収で、調整後では18%増と海外売上比率の高い多国籍企業にとっては為替のマイナス影響が大きかったことが分かる。

 FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ幅の縮小期待に伴う長期金利の低下を受けて、主要国通貨に対するドルの強さを示す「ドル指数」は昨年末の95.67ポイントから今年9月下旬には年初来高値の114.78ポイントまで約20%上昇した。その後は反落して直近では105ポイント台まで調整している。

 一方で、政策金利のFF(フェデラル・ファンド)誘導目標上限は、ブッシュ共和党政権開始前の2000年12月に6.5%だったが、ITバブル崩壊による景気後退を受け、01年1月~03年6月の期間に10回に及ぶ利下げが実施された。そのような中でドル指数も02年1~2月の120ポイント超の水準から、08年3月の70.70ポイントまで下落している。

 ドル指数が上昇一服から下落基調に転じた場合、まず、海外売上比率の高い米国多国籍企業は売上高の反動増により業績上ブレが期待される。この点は来年の米国株を占う上で大きなポイントになるだろう。また、02年以降のドル指数下落時に際立って上昇した資産としてはコモディティー(商品)と新興国株式が挙げられる。

 商品相場全体を表す指数として世界経済の全般的な商品価格動向を表す「S&P GSCIトータルリターン指数」は01年末の2823ポイントから08年7月の1万941ポイントまで高騰した。また、世界の新興国株式に係る代表的な株価指数である「MSCIエマージングマーケット指数」は、01年末の317ポイントから07年11月の高値1345ポイントまで上昇している。ドル安転換後をにらむ投資戦略の参考となり得るだろう。

【香港株】ハンセン指数は過去50年で最大の売られ過ぎ水準から反転

 中国で厳しい行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策に対し、首都北京や上海、さらには広東省広州や湖北省武漢といった都市で大規模な抗議行動が相次いでいる。共産党一党支配の下で厳しい言論統制が敷かれる同国では異例の事態だ。

 国家統計局の調査によれば、中国の失業率は全体が5%台半ばで安定的に推移するものの、16~24歳の若年層に限れば7月に約20%と過去最高に達した。10月も17.9%と高水準が続いている。政府が若年層の失業率上昇に伴う社会不安・混乱の回避の観点から経済再開へかじを切る可能性もあるだろう。12月に開催予定で、翌年の経済運営の基本方針を討議する「中央経済工作会議」(昨年は8~10日)が注目される。

ハンセン指数

 香港ハンセン指数は、14カ月の相対力指数(RSI)が10月の21.9%から11月に急回復し30%を上回った。これは過去50年間見られないほどの「売られ過ぎ」からの反転底入れを示唆するシグナルとみる向きもある。(画像クリックで拡大版にジャンプ)

 なお、日経平均株価の14カ月RSIでは、2009年3月の26.67%から同4月の32.11%への上昇といった同様の現象が発生し、リーマン・ショック後の底入れ完了につながった。

 RSIとは、「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」を判断するための指標。過去一定期間の上げ幅(前日比、月足ならば前月比)の合計を、同じ期間の上げ幅と下げ幅の合計を足した数字で割って100をかけたものである。一般的に70%を超えると買われ過ぎ、30%を下回ると売られ過ぎと判断される。

(フィリップ証券リサーチ部・笹木和弘)

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