【北京IPO】リン酸鉄リチウム製造の貴州安達科技能源が13日に公募開始、5000万株発行予定

サーチナ

中国株

2023/3/13 9:33

 北京証券取引所への上場を目指す、貴州安達科技能源(830809/北京)が3月13日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。5000万株を発行予定で、公募価格は13.00元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は1996年設立の民営企業で、2013年に株式会社化した。リン酸鉄、リン酸鉄リチウムといったリチウムイオン電池正極材料およびその前駆体の研究開発、生産、販売を主業務としている。リチウムイオン電池正極材料は新エネルギー車の動力電池、蓄電池の重要材料の一つであり、BYD(01211/香港、002594/深セン)、中創新航(03931/香港)、寧徳時代(300750/深セン)、派能科技(688063/上海)など著名なリチウムイオン電池メーカーの主要サプライヤーとなっている。22年1〜6月期の売上構成はリン酸鉄リチウムが92.00%、リン酸鉄が7.44%だ。

 中国のリン酸鉄リチウム正極材料は新エネルギー産業、新エネ車産業の成長に伴って急速に需要が高まると同時に、業界内の集中度も高まっている。高工産業研究院のデータによれば、21年の中国におけるリン酸鉄リチウムの出荷量全体の73.54%を業界上位6社が占めており、中でも湖南裕能が25.00%、徳方納米が18.75%と抜きん出ており、同社は6.25%で業界5位となっている。

 同社は前駆体であるリン酸鉄から正極材料のリン酸鉄リチウムまでの一体化生産体制を持ち、リチウムイオン電池製造コストを節約できること、約14年に及ぶリン酸鉄リチウムの製造と、それ以前のリンを材料とした化学工業製品製造の経験から高い技術力と開発力を備えていること、大手電池メーカーを顧客に持つことなどを強みとする一方で、既存の生産能力では急速に拡大するニーズに対応できず、生産能力拡大に向けた資金調達力が弱いことがボトルネックになっていた。新規上場で資金を調達して、リン酸鉄リチウムの生産能力強化を図りたい。

 22年12月期の売上高は65億5767万元(前期比4.16倍)、親会社株主に帰属する純利益は8億1149万元(同3.52倍)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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