エクスモーション・渡辺博之社長に聞く:バルテスとの提携と日の出ソフトの子会社化で業務領域拡大へ

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2023/4/17 9:00

 エクスモーション(4394)は自動車、ロボット、医療機器などに利用される組み込みソフトウエアの設計に関して、品質支援のコンサルティングを手掛ける。2月にソフトウエアのテスト・品質向上支援サービスを展開するバルテス(4442)と業務提携し、3月にはソフトウエア・システムのテスト業務と品質管理業務を専門とする日の出ソフトを子会社化した。これにより、同社はサービス強化、品質向上から、今後の飛躍を目指す構えだ。同社の現状と将来について渡辺博之社長に聞いた。

 ――バルテスとの提携について教えてください。

 「当社は自動車製造の上流開発工程にかかわるソフトウエア開発を得意としています。それに、バルテスの品質に特化したソフトウエアテストサービスを加えることで、『シフトレフト』ソリューションの構築を図ります。『シフトレフト』ソリューションとは開発の上流工程の成果物に対してテストを行うもので、要求や設計の漏れを早期に発見し、ソフトウエア開発に関して生産性や品質の向上を実現します。特に当社が力を入れる自動車向けソフトウエア開発の領域では、ソフトウエアファーストで開発の迅速化が進む半面、これまで以上の高品質が重要視されるようになっていることから、今後、バルテスとの提携効果が大きくなっていきそうです」

 ――バルテスとの提携で、具体的にどういったことが考えられますか。

 「当社とバルテスの得意分野を組み合わせることで、上述したような、より高品質なソフトウエア開発を提供することが可能になります。さらに、当社とバルテスでは得意とする分野が異なっており、事業分野の拡大が見込めます。今後、当社の得意とする自動車など製造業にとどまらず、金融などより幅広い分野に『シフトレフト』ソリューションを展開していく計画です。一方、当社はソフトウエア開発現場の人材育成や技術定着を目指す総合学習&実践プラットフォーム『Eureka Box(ユーリカボックス)』を展開しています。またバルテスもテスト設計を中心としたさまざまなツールを提供しています。今後、双方のプラットフォームに『シフトレフト』ソリューションのコンテンツを組み込むことができれば、それがお互いの売上拡大につながっていくでしょう」

 ――日の出ソフトの子会社化についてはいかがですか。

 「日の出ソフトは高品質なソフトウエア・システムをつくるため、テスト業務と品質管理業務を専門に、高度なテスト計画、設計、効率的なテスト実施と品質管理業務を行っています。これらは当社の手掛けるソフトウエアの設計など上流工程の後で必要となる業務であり、今回の子会社化で当社グループはソフトウエア開発の上流から下流までワンストップで請け負うことが可能になります。これが顧客企業に対するサービス強化となり、グループとしてのブランド力、企業価値の向上に寄与すると期待しています」

受注増で成長加速目指す

 ――今後のビジョンをお話しください。

 「当社は自動車向けなど組み込みソフトウエアの効率的な開発手法をメーカーに提供し、品質改善できる点が強みです。今回のバルテスとの提携、日の出ソフトの子会社化で、ソフトウエア開発において開発と検証の両面でサービスを強化できることから、従来の事業をパワーアップし、これまでより幅広い受注の獲得が可能になり、提供サービスの価値向上、顧客満足度の向上につなげることができます。今11月期決算は非連結売上高11億7300万円(前期比12.0%増)、営業利益2億2600万円(同22.4%増)で増収増益予想ですが、今後は成長のさらなる加速が期待されます。今回の業務提携、子会社化の影響について現段階では軽微としていますが、状況に変化があれば速やかに公表する予定です」

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