【為替本日の注目点】ドル円再び反発し133円台後半に

為替

サーチナ

2023/4/17 10:13

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は上昇。ミシガン大学消費者マインドが市場予想を上回ったほか、FOMCメンバーのタカ派的な発言が支えとなり、133円84銭まで反発し、この日の値圏で越週。ユーロドルは前日とほぼ同水準で推移。1.1074まで上昇する場面もあり、やや高値を切り上げる。株式市場は3指数が揃って反落。利上げ観測がやや高まりリスク資産が売られた。債券も売られ、長期金利は3.51%台に上昇。金は4日ぶりに大幅反落。原油は小幅高。

マーケット情報

3月小売売上高 → -1.0%

3月輸入物価指数 → -0.6%

3月輸出物価指数 → -0.3%

3月鉱工業生産 → 0.4%

3月設備稼働率 → 79.8%

4月ミシガン大学消費者マインド(速報値) → 63.5

ドル/円 132.20 ~ 133.84

ユーロ/ドル 1.0973 ~ 1.1074

ユーロ/円 146.11 ~ 147.16

NYダウ -143.22 → 33,886.47ドル

GOLD -39.50 → 2,015.80ドル

WTI +0.36 → 82.52ドル

米10年国債 +0.068 → 3.513%

本日の注目イベント

米 4月NY連銀製造業景況指数

米 4月NAHB住宅市場指数

米 企業決算 → チャールズ・シュワブ

 3月のCPIが予想を下回り、その後発表された3月のPPIも予想を下回ったことを受け、ドル円は前日まで売られていましたが一転上昇に向かい、先週末のNYでは133円84銭まで反発しています。足元のドル円は明確な方向感を見せず、大きくは130-135円、もっと狭めれば132-134円のレンジ内で推移しています。5月のFOMCでは0.25ポイントの利上げが有力かとは思いますが、この内容もやや影響力を失いつつあるようで、市場はその先の材料に目を向け始めているようです。「5月会合で利上げを行い、その後は一旦利上げを停止し、それまでの利上げの効果を見極めるスタンスに移行するのかどうか」あるいは、「米景気が本当にリセッションに入るのかどうか」といった点です。

 4月のミシガン大学消費者マインド速報値は、市場予想を上回る「63.5」と、1年先のインフレ期待はおよそ2年ぶりの大幅高となりました。この結果を受けて、米金利が上昇しましたが、加えてFOMCメンバーのタカ派的な発言がドルを押し上げています。ウォラーFRB理事は14日テキサス州の講演で、「金融環境が著しく引き締まっていないため、労働市場は引き続き力強くかなりタイトになっている。インフレ率は目標を大きく上回っており、金融政策をさらに引き締める必要がある」と述べ、「どこまで先に進むのかの判断は、インフレ、実体経済、信用状況の引き締まりの程度に関する今後のデータに左右される」と指摘。ウォラー理事はさらに、「需要が減速する兆候は歓迎するが、それが表れ、インフレ率が目標の2%に向けて有意かつ持続的に低下するのを見るまで、やるべきことはまだあると考えている」と続け、3月のCPIでは、食品とエネルギーを除いたコア指数が前月比ベースではほとんど鈍化しなかったことに触れ、「安堵感はなかった」と語っています。(ブルームバーグ)

 イエレン財務長官はCNNとのインタビューで、最近の銀行破綻を受け、「銀行はこの環境下で幾分かより慎重になる公算が大きい。そうしたことは、与信の制限が幾分強くなる状況をもたらす傾向が高く、金融当局が実施しなければならない追加利上げの代わりになり得る」との考えを示しました。イエレン氏はさらに「私の見解では、見通しを大きく変えるほど劇的あるいは大きな要因は現時点では見当たらない」と述べています。ブレイナード国家経済会議(NEC)委員長は12日に行ったインタビューでは、「銀行は与信を少し後退させる兆しを見せている」と述べており、イエレン長官とはやや認識を異にしています。米景気の先行きについてはラガルドECB総裁も発言しています。ラガルド総裁は米CBSの番組で、「米国には絶大な信頼を置いている。彼らがそのような大惨事(リセッション)を引き起こすことは想像もできない」と述べ、その上で、「もしそれが起きれば米国の信頼性が疑われ、極めてネガティブな影響がこの国だけではなく、世界中に広がるだろう」と語っています。また、「私自身も政治の世界に身を置いたことがあり、政治のことは理解できる。しかし、より高い国家の利益を優先しなければならない時がある」と語っています。ECB総裁が米景気のリセッションの可能性について言及することは異例で、ラガルド総裁は、米金融当局がそういった事態を避ける政策を採るべきとの考えを示したものと思われます。

 ドル円は上でも述べたようにもみ合い状態が続いていることは、「一目均衡表」の先行スパン1と先行スパン2で構成される「雲」の形状からも判断できます。「雲」は上下の幅がなく、横に流れる形になっています。ここから上がるか下がるかは「五分五分」と見ていますが、やや長いスパンで見たら、下値を試す可能性の方が高いと予想しています。

 本日のドル円は133円~134円50銭程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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