<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高や通貨ルーブル高を受け4週続伸=BRICs市況

新興国

2023/5/8 9:12

 前週(2-5日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の5日終値が前日比1.47%高の1033.68、前週比では4月28日終値比0.01%高と、かろうじて4週続伸した。

 週明け1日は「レイバーデー」の祝日で休場。取引が再開された2日は指数が反落した。翌3日も続落。4日は反発した。

 週前半は、休み明け後、オーストラリア準備銀行(RBA、中銀)の利上げ再開や中国の経済指標の悪化などを受け、海外株安となったことや、ブレント原油先物が1バレル当たり76ドルを下回ったことが嫌気され、売りが強まった。ロシア2位の天然ガス生産大手ノバテクが無配を決めたことも嫌気され、下げをけん引した。

 週後半は、原油価格が続落、72ドルを割り込んだことが嫌気され、売りが優勢となった。原油安は主要中銀の利上げ継続による世界景気悪化懸念が背景。また、クレムリン(ロシア大統領府)へのドローン攻撃も売り材料となった。その後はルーブル高となったことが好感され、買いが優勢となった。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)とECB(欧州中央銀行)の利上げ継続を受け、海外株安となったため、上値は重くなった。

 週末5日は続伸。これまでの相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。また、原油価格が75ドルに回復したことも支援材料となった。

 今週(10-12日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える9日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や10日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。また、今週はズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)の期末配当見送りが焦点となる。主な経済発表の予定は12日の4月CPI(消費者物価指数)など。RTS指数は990-1050の値動きが予想される。8-9日は「対独戦勝記念日」の祝日で休場。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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