【為替本日の注目点】米長期金利15年9カ月ぶりに4.35%台に
![](https://cdn.kabushiki.jp/photo/fd1275d301715e45cfd01bc0aa4aa6d3/b7783bd67647e5176652f0b0e920e77f.jpeg)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円はあっさり146円台を回復。米10年債利回りが一時4.351%台まで上昇したことでドル買いが再燃。ドル円は146円40銭まで買われる。ユーロドルはほぼ前日の水準と変わらず。株式市場は米金利が上昇したものの、ナスダックが200ポイントを超える上昇。エヌビディア株が上昇をけん引する。債券は大幅に反落。長期金利は4.351%台まで上昇し、4.33%台で引ける。金は続伸、原油は反落。
マーケット情報
ドル/円 145.83 ~ 146.40
ユーロ/ドル 1.0876 ~ 1.0912
ユーロ/円 159.00 ~ 159.39
NYダウ -36.97 → 34,463.69ドル
GOLD +6.50 → 1,923.00ドル
WTI -0.53 → 80.72ドル
米10年国債 +0.083 → 4.338%
本日の注目イベント
日 日銀、基調的なインフレ率を補足するための指標
欧 ユーロ圏6月経常収
英 英4-6月期GDP(確定値)
米 7月中古住宅販売件数
米 8月リッチモンド連銀製造業景況指数
米 グールズビー・シカゴ連銀総裁、イベントで開会の挨拶
先週末のNYでは一時144円93銭まで売られたドル円はわずか「一夜」にして146円台半ばを回復しています。米長期金利が2007年11月以来となる4.35%台まで上昇したことに反応したものですが、改めて「米金利との強い相関」が意識された形です。その根底には「動かない日銀」の存在が大きく影響しており、再び円売りがドル以外の通貨にも及んできた格好です
今週末にはジャクソンホールでパウエル議長の講演を控えていることから、それまでは静かな動きが続くと予想していましたが、円に関してそうではないようです。債券が売られ、金利が上昇したということは、市場は「パウエル議長のタカ派寄り」の発言を想定していることになります。この点では筆者も同様に考えていますが、市場が先走ると案外想定外の発言も出て来るかもしれません。金利が大きく上昇した割には、米ナスダック指数は大きく値上がりしています。このところ下落傾向が続いていたこともありますが、昨日はエヌビディア株が8%を超える上昇を見せ、IT株全般の上昇をけん引しています。同社は明日(23日)決算発表を行う予定で、前年同月比で65%の増益が見込まれているようです。また、ソフトバンクグループ傘下の英アームが21日、新規株式公開(IPO)を米証券取引委員会(SEC)に申請したことも株価の上昇に好影響を与えたようです。9月の第1週にロードショーを開始し、次週にIPO価格を決定する方針で、アームの企業評価額は600億ドル―700億ドル(約8兆8000億円―10兆2400億円)規模を目指すとブルームバーグは報じています。今年最大のIPOになる予定だそうです。
サンフランシスコ(SF)連銀の経済論評がおもしろい報告をしています。米金融当局者の金利予測が以前ほど一致していないというものです。FOMCメンバーが予側するドットプロット(金利予測分布図)を分析したところ、メンバーの見解の相違は2010年代に縮小し、パンデミックの初期には「ほとんど存在しなかった」が、「しかしそれ以降、相違は拡大した」と報告されています。同論評によると、2018年2月にパウエル氏が議長に就任して以来、反対票を投じた当局者は延べで13人に過ぎず、そのうち、22年3月の利上げ開始以降ではわずかに2人だそうです。現在は今後の金利の道筋を巡る政策当局者の意見の相違が拡大しており、今後はより激しい議論や反対票の増加につながる可能性があるとSF連銀は指摘しています。経済がよりグローバルになり、景気変動の波を正確に捉えることが一段と難しくなったこともありますが、発表されるデータの裏側まで読み解く必要があるのかもしれません。足下の労働市場が、政策金利をゼロから5.5%まで引き上げたにもかかわらず、驚くほど堅調に推移している現象もいい例と言えます。
再び146円台半ばまで上昇してきたドル円ですが、今日の東京時間では上値は重いと見ています。ただ、先週記録した今年のドルの最高値である「146円56銭」をしっかりと上抜けするようだと、もう一段の上昇もないとは言えないところです。特にNY時間では米金利の推移に注意が必要です。
本日のドル円は145円~147円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
![](https://cdn.kabushiki.jp/photo/cb5a7e0c48eae4a636b8188d4d28dcf8/25700f9d22084259699b2322a228b5a7.jpeg)
関連記事
-
日経平均は301円高、米ハイテク株高に円安も支え
22日午前10時時点の日経平均株価は前日比301円39銭高の3万1867円03銭。朝方は、21日の米ハイテク株高を受け、値がさ半導体関連株を中心に買いが先行した。円安・ドル高も支えとなり、日経平均は・・・…続き
-
10時の注目株=水素関連に政策の追い風――化工機
2023/8/22 10:00
三菱化工機をマークしたい。 同社の24年3月期第1四半期(23年4-6月)の連結営業利益は3億3500万円(前年同期比2.4%減)となった。通期計画の28億5000万円(前期比13.・・・…続き
-
株式新聞プレミアム=ユニフォムN、月間売上の好調続く―アクティブユーザー増加に注力
2023/8/22 9:58
ユニフォームネクスト(ユニフォムN)は年初来高値828円(6月13日)を付けた後に一服し、直近では600円台の推移となっている。PERは18倍台で割安感も強まっており、近く見直す動き・・・…続き
-
レーティング情報(目標株価変更・その2)=横河電機、五洋建設など
2023/8/22 9:55
◎みずほ証券(3段階・買い>中立>アンダーパフォーム) 横河電機――「買い」→「買い」、3000円→3200円 キーエンス――「買い」→「買い」、80000円→7500・・・…続き
-
レーティング情報(目標株価変更・その1)=伊藤ハム米久、日清食HDなど
2023/8/22 9:54
◎野村証券(3段階・Buy>ニュートラル>リデュース) 伊藤ハム米久――「ニュートラル」→「ニュートラル」、710円→830円◎大和証券(5段階・1>2>3>4>5) 日清食HD…続き
速報ニュース
-
レーティング情報(目標株価変更・その2)=五洋建、フリーなど
2分前
-
レーティング情報(目標株価変更・その1)=日産化、JALなど
2分前
-
2分前
-
レーティング情報(投資判断変更・その1)=タクマ、アマダなど
2分前
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=横河電、一目均衡表日足の「雲」の上限を突破
10分前
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=七十七銀が25日線を突破、5日線と25日線のミニGC形成が射程圏内
10分前
-
テクニカルで選ぶ注目銘柄=日製鋼、5日線を上回り、一目均衡表日足の「雲」の上限を突破
10分前
-
GLOEが続伸、配信技術研究所の第三者割当増資を引き受け子会社化
13分前
-
先読み作戦指令室=地盤ネットH:25年3月期は黒字転換見通し、「公益」重視の経営姿勢も評価
19分前
-
<新興国eye>トルコ中銀、予想通り金利据え置き―7-9月期まで金利据え置きの可能性
21分前