エクスモーション・渡辺博之社長に聞く:ISIDと業務提携し次世代自動車開発支援ソリューション共同開発へ
エクスモーション(4394)は自動車をはじめ、ロボット、医療機器などに利用される組込みソフトウエアの設計において、品質支援のコンサルティングを展開している。9月6日には電通国際情報サービス(=ISID、4812)と業務提携し、今後、「Over The Air技術(OTA)」の普及を見据えた次世代自動車開発支援ソリューションの共同開発を進めていくと発表した。ISIDとの提携について渡辺博之社長=写真=に聞いた。
――ISIDとの提携の背景について教えてください。
「近年の自動車はコンピューター制御によるさまざまなシステムを搭載し、各部にソフトウエアが組込まれています。さらに、今後、自動運転やEV(電気自動車)の普及とともに、ソフトウエアのウエートはより高まっていくでしょう。このような状況から、自動車業界は従来のメカ、エレキ先行から、『ソフトウエアファースト』にシフトしつつあります。これは、自動車関連機器の開発に当たり、ソフトウエアを先行して開発・実装し、ソフトウエアの更新で価値を高めていこうというものです。ISIDはハードウエア設計領域のソリューションとシステムインテグレーションに強みがあり、当社はソフトウエア開発領域において高度なノウハウと豊富な実績を持っていることから、今回の提携では両社の得意分野を生かして自動車の開発課題の解決に寄与できるワンストップソリューションの開発・提供を目指します」
――具体的な内容はどんなものですか。
「当社の得意とするソフトウエア開発のコンサルティングサービスから、ISIDの開発支援システム構築・導入までをワンストップで提供します。ISIDには多くのソリューションがあり、その中でまずはPLM(製品ライフサイクル管理)/ALM(アプリケーションソフトウエアのライフサイクル管理)ソリューションに、当社のソフトウエアの開発手法を組み入れることに取り組みます。これにより、同ソリューションの機能強化とともに、優位性を高めることができます。さらに、ISIDには強力な営業組織もあり、各自動車会社にアプローチをすることができるため、幅広い顧客の獲得が期待できます。当社はコンサルティング会社なのでビジネスモデルはフロー型ですが、今回の提携ではノウハウを販売する形になり、将来的にストック型の収益獲得も見込めるでしょう」
――その他の提携事業はいかがですか。
「ISIDの事業と当社の事業はかぶらず、共同で事業展開することにより、お互いのノウハウがより生きる状況が生まれます。『ソフトウエアファースト』を掲げることで、自動車開発ではこれまでと異なる人材の必要性が高まっています。その中で、ISIDの教育メニューと、当社のソフトウエア開発人材育成ソリューションを組み合わせ、次世代人材のスキル定義、ハードウエアエンジニアからのキャリアチェンジなど、戦略的、実践的な人材育成を支援する教育サービスも提供します。さらには、自動車業界のOTA普及のため、データを収集し、クラウドに上げ、データを分析し、価値向上につなげるソリューションの共同開発にも取り組みます」
――今後の展開について教えてください。
「11月15~17日開催の事業変革を推進するための最新技術とつながる総合展『EdgeTech+2023』において、今年は組込みソフトをテーマとした新企画『オートモーティブ ソフトウエア エキスポ』が開かれます。そこで当社はISIDと共同開発する具体的なツール、ソリューションを発表する予定です。注目度の高い展示会であるため、そこでの発表をきっかけに、本格的な事業展開を始めたいと思っています」
――御社は今年に入ってから、バルテス(4442)と提携し、日の出ソフトを子会社化するなど、提携やM&A(企業の合併・買収)を進めています。
「当社は今期、これまで目指してきた内製化率100%から、協力会社やフリーランスを活用する方針に転換しました。現在は人手不足が深刻である上、ポテンシャルの高いエンジニアほど独立したいという意欲があり、会社への所属を期待するのは難しそうです。こうした中で、当社は内製化率100%にこだわることなく、外部との連携を強化することで、足りないところを補いつつ、将来の成長に臨むつもりです。今回のISIDとの提携もその一環で、次世代自動車開発支援ソリューションの分野で大きな飛躍を目指します」
関連記事
-
モーニングセット(20日)―NY株概況、主なスケジュールなど
2023/9/20 8:30
3万4517.73ドル ▼106.57ドル 19日の米国株式は反落した。原油高によるインフレが警戒され、米10年物国債の利回りが一時4.37%に上昇(価格は下落)。株式に逆風となった。NYダウ採用銘柄・・・…続き
-
<きょうの材料と有力銘柄>千歳市など北海道の地価上昇
2023/9/20 8:18
2023年の基準地価(7月1日時点)は、ラピダスが先端半導体工場の建設を進める北海道千歳市が住宅地で上昇率の上位3位を独占し、商業地でも2~4位を占めた。道内全体では住宅地・商業地が2.2%、工業地・・・…続き
-
きょうの有力レーティング――ケミコン、霞ヶ関キャピ、ディスコなど
2023/9/20 7:50
※現値は19日終値 ケミコン(6997) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券は強気の「オーバーウエート」でカバレッジを再開した。目標株価は2100円(現値1462円)。訴訟の和解により、大規模な特損・・・…続き
-
<相場の読み筋>9月20日
2023/9/20 7:45
19日の米国株式は、反落した。NYダウが前日比106.57ドル安の3万4517.73ドル、ナスダック総合指数が同32.051ポイント安の1万3678.186ポイントで取引を終了。出来高概算は、NY市場が8億9649万株、ナスダック市場が45億1707万株だった。…続き
速報ニュース
-
18時間前
-
先読み作戦指令室=オートウェーブ:新規事業の業務スーパーが順調に拡大
18時間前
-
日経平均は5円程度高、プラス寄与度は第一三共、東エレク、レーザーテクが上位
18時間前
-
(再送)ストリームMが急騰、24年12月期第1四半期決算は大幅増益で着地
18時間前
-
(再送)伊藤ハム米久が上げ幅拡大、25年3月期は2ケタの営業増益見通しに配当は増額へ
19時間前
-
2日後場寄り付きの日経平均株価=74円33銭高の3万8348円38銭
19時間前
-
マーケット早耳情報=話題株の後場寄り前成り行き注文状況―ソシオネクス、三井物、三菱商など
19時間前
-
マーケット早耳情報=主な後場寄り前成り行き注文状況(2)LINEヤフ、楽天グループ、みずほなど
19時間前
-
マーケット早耳情報=主な後場寄り前成り行き注文状況(1)トヨタ、ENEOS、ソフバンGなど
19時間前
-
19時間前