【為替本日の注目点】米長期金利続伸

為替

サーチナ

2024/1/19 10:22

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 アジア市場から上値の重い展開が続いたドル円は欧州時期に147円台半ばまで下落。NYでは経済指標を受け148円30銭まで反発。ユーロドルは前日と同じようなレンジで推移。ECB議事要旨が公表されたが、影響はなし。株式市場はハイテク株を中心に買われ3指数が揃って上昇。ナスダックは200ポイント買われ、最高値を更新。債券は続落。長期金利は4.14%台に上昇。金は反発し、原油は続伸。

新規失業保険申請件数 → 18.7万件

12月住宅着工件数 → 146万件

12月建設許可件数 → 149.5万件

1月フィラデルフィア連銀景況指数 → -10.6

マーケット情報

ドル/円 147.86 ~ 148.30

ユーロ/ドル 1.0847 ~ 1.0877

ユーロ/円 160.64 ~ 161.04

NYダウ +201.94 → 37,468.61ドル

GOLD +15.10 → 2,021.60ドル

WTI +1.52 → 74.08ドル

米10年国債 +0.040 → 4.142%

本日の注目イベント

日 12月消費者物価指数

独 独12月生産者物価指数

欧 ECB総裁とIMF専務理事、WEFのセッションに参加

英 英12月小売売上高

米 1月ミシガン大学消費者マインド(速報値)

米 12月中古住宅販売件数

米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、座談会に参加

米 バー・FRB副議長講演

加 カナダ11月小売売上高

 昨日の東京ではドルの上値が重く、さすがに年初から一貫して買われたドル円も上昇が一服かと思われましたが、欧州で147円台半ばまで下げた後NYでは再び148円台を回復する底堅い動きでした。米長期金利が4.14%台まで上昇したことがドルを押し上げましたが、米金利を引き上げたのは、失業保険申請件数とFOMCメンバーからのタカ派発言だったようです。

 新規失業保険申請件数は「18万7000件」に減少しており、2022年9月以来となる低水準でした。また、継続受給者数も180万6000人と、こちらも昨年10月以来の低水準です。職を確保できた人が多かったと見られることで、「労働市場は引続き堅調だ」との見方から「利下げ観測の後退」→「ドル買い」との連想につながりました。また、アトランタ連銀のボスティック総裁が講演で、「インフレ率が金融当局の目標である2%に向かう軌道に乗っている証拠をより多く目にしたい」と述べた上で、「現在の私の見通しは、今年第3四半期(7-9月)のどこかで最初の利下げを行うというものだ。データがどのような進展をたどるかを見極める必要がある」と述べ、3月の利下げはないことを示唆した発言を行いました。因みに、同総裁は今年のFOMCでの投票権を持っています。

 イエメンの親イラン武装組織フーシ派による紅海での商船に対する攻撃が続いていますが、米軍も同組織への攻撃を継続しています。バイデン大統領は、ここ数日の米英による空爆は効果的だったかと問われ、「空爆がフーシ派を止められるかと言えば、そうではない。では空爆を続けるのかと言えば、そうだ」とホワイトハウスで答えています。この地域を航行する船舶のリスクが高まっていることで、アジアから欧州に向かうコンテナ船の運賃が7週連続で上昇していると、ブルームバーグは報じています。運賃の高騰に加え、紅海で攻撃を受けるリスクを回避し、遠回りしてアフリカ南部を通過するルートを選ぶ船舶が増えていることから、輸送能力がさらに逼迫する可能性もあると指摘しています。

 145-150円のレンジに入ったと見られるドル円は、どちらかと言えば昨日のNY市場の動きのように、ドル高材料にはより敏感に反応するようにも見えます。市場は次の材料を待つ状況ですが、来週は22-23日に日銀の金融政策決定会合があります。日銀は金融政策の修正に向け歩みを進めていると思われますが、元日に発生した能登半島地震がどのように影響するのかを見極める必要があります。今回の会合では、ほぼ政策変更はないと見ていますが、植田総裁の発言内容が、3月に変更があるのかどうかを示唆するかもしれません。賃金と物価上昇の好循環が見通せる「確度」がキーになります。この「確度」に関して植田総裁がどのような言い回しをするのか、注目です。

 本日のドル円は147円30銭~148円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ