【為替本日の注目点】米GDP改定値、下方修正

為替

サーチナ

2024/5/31 10:21

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は反落。1-3月期GDPが下方修正されたことで景気減速が意識されドル円は156円36銭まで売られる。ユーロドルは小幅に反発し1.0845まで買われる。株式市場では3指数が揃って続落。ダウはこの日も330ドル下げ、ここ2日間で800ドルに迫る下落。債券は反発。長期金利は4.54%台に低下。金は反発。原油は続落し77ドル台に。

1-3月GDP(改定値) → 1.3%(前期比)

新規失業保険申請件数 → 21.9万件

4月中古住宅販売成約件数 → -7.7%

マーケット情報

ドル/円 156.36 ~ 156.87

ユーロ/ドル 1.0814 ~ 1.0845

ユーロ/円 169.29 ~ 169.95

NYダウ -330.06 → 38,111.48ドル

GOLD +2.40 → 2,366.50ドル

WTI -1.32 → 77.91ドル

米10年国債 -0.066 → 4.546%

本日の注目イベント

日 5月東京都区部消費者物価指数

日 4月失業率

日 4月鉱工業生産(確定値)

日 4/26-5/29までの外国為替平衡操作の実施状況(19:00)

中 5月中国製造業PMI

中 5月中国サービス業PMI

欧 ユーロ圏5月消費者物価指数(速報値)

英 4月消費者信用残高

米 4月個人所得

米 4月個人支出

米 4月PCEデフレータ(前月比)

米 4月PCEデフレータ(前年比)

米 4月PCEコアデフレータ(前月比)

米 4月PCEコアデフレータ(前年比)

米 5月シカゴ購買部協会景気指数

米 ボスティック・アトランタ連銀総裁、大学の卒業式でスピーチ

加 1-3月期GDP

 ドル円は前日のNYで157円71銭まで買われていましたが、昨日はさすがに上昇一服というよりも、久しぶりに売られた格好です。昨日もこの欄で触れましたが、157円台は2回目の介入が実施され、やや驚きを持って受け止められた水準です。4月の29日には160円台まで円安が進んだことで、介入を引き出した感じでしたが、5月3日のそれは、160円台よりも円高水準の157円台での介入であったことが筆者には「押し下げ介入では?」との印象を与えました。これらはいずれも「介入」だと確信していますが、今夜その事実が明らかになります。157円台後半はこの様な水準であったことに加え、米1-3月期GDP改定値が下方修正され、中でも個人消費の伸びの鈍化が注目され、米景気の減速懸念が出た形です。1-3月GDP改定値では個人消費は「2.0%増」でしたが、市場予想は「2.2%増」でした。速報値は「2.5%増」であったことから、米GDPの7割を占める個人消費の落ち込みは、即GDPの下方修正につながります。「個人消費の下方修正は、とりわけ自動車を中心とする財への支出が大幅に弱含んだ影響が大きい」(ブルームバーグ)と、分析されています。

 ドル円は直近高値から1円強下げ、同時にユーロ円などクロス円もほぼ下げました。利益確定の売りも多く持ち込まれたと思われます。また昨日は米利下げ開始のタイミングについては前向きな発言もありました。ウィリアムズNY連銀総裁は30日エコノミック・クラブ・オブ・ニューヨークで講演を行い、「経済は時間の経過とともにバランス改善に向かっており、米国外でのディスインフレが世界的なインフレ圧力を弱めている。インフレは今年後半に沈静化を再開すると予想している」と話し、その上で「この1年に経済動向から、金融政策が景気抑制的であり、われわれの目標達成を助けている十分な証拠が得られた」と述べました。ただ一方では、「今月中旬には金融政策が良い状態にある」としつつも、「インフレ率が目標に近づくという、もっと強い確信が必要だ」とも述べていました。

 イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザ南部ラファへの攻撃を強めていることで、今朝は同軍が制圧した領土が、ガザ地区の6割に達したと報道されています。「ハマス制圧」にこだわるネタニヤフ政権は国際社会の静止を振り切り、事実上の本格侵攻に入った可能性がある(日経新聞)と見られています。米国からの圧力も11月の米大統領選を巡り、ユダヤ系アメリカ人からの圧力もあるのか、依然ほど高まってはいません。ただイスラエル国内ではネタニヤフ政権への批判も日増しに強くなっており、議会では野党・国家団結党が議会解散を求める法案を提出しています。総選挙の実施を迫り、ネタニヤフ首相をトップの座から引きずりおろすことを狙っています。同党を率いるガンツ前国防相は直近の調査では、ネタニヤフ氏を上回っています。

 本日は4月のPCE価格指数が注目されます。予想レンジは156円~157円50銭程度でしょうか。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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