【為替本日の注目点】仏下院選挙の結果を受けユーロ急騰
![](https://cdn.kabushiki.jp/photo/3f463bf937dd878aa017c4f48c789001/b7783bd67647e5176652f0b0e920e77f.jpeg)
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は朝方、PCE価格指数に反応し160円27銭まで売られたが、その後発表された経済指標が上振れ米金利が上昇したことで、160円95銭前後まで上昇。ユーロドルは上昇して始まったが、その後1.07台割れまで反落。なお、今朝は早朝にフランス下院選でルペン氏率いる極右政党・国民連合(RN)が支持を得た模様だとの報道に、1.0742近辺まで急騰。株式市場では3指数が揃って反落。長期金利が上昇したことでナスダックは126ポイントの下落。債券は大きく売られ、長期金利は4.39%%台へと大幅上昇。金は小幅に続落し、原油は小幅安。
5月個人所得 → 0.5%
5月個人支出 → 0.2%
5月PCEデフレータ(前月比) → 0.0%
5月PCEデフレータ(前年比) → 2.6%
5月PCEコアデフレータ(前月比) → 0.1%
5月PCEコアデフレータ(前年比) → 2.6%
6月シカゴ購買部協会景気指数 → 47.4
6月ミシガン大学消費者マインド(確定値) → 68.2
マーケット情報
ドル/円 160.27 ~ 160.95
ユーロ/ドル 1.0693 ~ 1.0724
ユーロ/円 171.45 ~ 172.44
NYダウ -45.20 → 39,118.86ドル
GOLD +3.00 → 2,339.60ドル
WTI -0.20 → 81.54ドル
米10年国債 +0.110 → 4.396%
本日の注目イベント
豪 豪5月小売売上高
日 4-6月期日銀短観
中 6月財新製造業PMI
独 独6月消費者物価指数(速報値)
独 独6月製造業PMI(改定値)
欧 ユーロ圏6月製造業PMI(改定値)
欧 ラガルド・ECB総裁講演(ECBフォーム)
英 英6月製造業PMI(改定値)
英 英5月消費者信用残高
米 6月ISM製造業景況指数
米 6月S&Pグローバル製造業PMI(改定値)
6月30日に行われたフランス下院選挙の第1回開票で、マリーヌ・ルペン氏率いる極右政党・国民連合(RN)が最多の票を獲得したことが、出口調査の結果で示されました。マクロン氏にとっては大きな打撃で、「近代フランスで初めて極右政党が内閣を支配する様相が濃くなった」とブルームバーグは伝えています。4社の出口調査によると、RNの得票率は33-34.2%となる見込みで、左派連合は28.5-29.6%、マクロン氏の中道連合は20.3-22.4%と見込まれ、マクロン大統領の政党が第3位にとどまる見通しのようです。かつてフランスではミッテラン氏が大統領に就任し、社会党政権を樹立したことはありますが、極右政党による政権樹立も現実味を帯びてきました。社会党政権では主要産業を国有化し、筆者の入行した銀行も当時は国が株主で、その後民営化された経緯がありました。7月7日の決選投票でRNが絶対過半数を獲得できるかどうかが焦点になりますが、コアビタシオン(保革共存)の可能性もあるかもしれません。
先週末は米大統領候補者の第1回テレビ討論会の話題がTVで持ち切りでした。高齢によるバイデン氏の「不安定さ」を選ぶのか、あるいは有罪判決を受けたトランプ氏の「危険性」を選ぶのか、このままいけば米国民は究極の選択を迫られることになります。トランプ氏は前回同様、相手の言葉に非難を繰り返す場面が多く、バイデン氏もそれにのって反論する場面もありました。またバイデン氏は風邪気味とはいえ、言葉に詰まり、しばらく固まるシーンも見られました。結局、政策論争が見られない90分だったようですが、放映後今回の討論会でどちらが勝利したのかという調査では37対63で、トランプ氏の圧勝でした。民主党内からも、バイデン氏では勝てないといった声も上がり、民主党に近いとされるNYタイムズ紙は社説で、「米国のために、バイデン氏は辞退すべきだ」と厳しい選択を迫っていました。ただ規定上、バイデン氏に替わる候補者を擁立するには、バイデン氏自身が出馬を取りやめることが必要で、討論会の翌日の28日には「ホワイトハウスでもう4年間仕えることは出来る」と宣言しています。これまでの大統領選では「誰が米国の次期大統領にふさわしいか」という視点で選ばれてきましたが、「バイデン対トランプ」の対決が最後まで続くようだと、「誰が米国の次期大統領にふさわしくないか」といった視点で選ばれそうです。
米経済指標では、インフレの鈍化を巡り相変わらず強弱の結果が示されています。ただドル円ではそれでも「ドル買い円売り」のセンチメントが変わらず、先週末の東京市場では一時161円27銭までドルが買われる場面もありました。テクニカル的にはドルの一段高が見込めそうですが、一方では介入警戒感がさらに高まりつつあります。また米経済指標の結果では、このままドル買いを進めてもいいのか、混沌としている部分もあります。引き続き細心の注意を持って臨む必要がありそうです。
本日のドル円は160円~161円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
・今日のアナリストレポート
https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm
・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
![](https://cdn.kabushiki.jp/photo/9bf63fb7cb30fd890a36325271bfb7fd/25700f9d22084259699b2322a228b5a7.jpeg)
関連記事
-
トヨタ紡織が反発、米Yobeへの出資決定
2024/7/1 10:34
トヨタ紡織が反発し、一時39円高の2169.5円を付けている。前週末6月28日、騒音の中でも特定の個人の声を認証できる技術を有する米Yobe(マサチューセッツ州)への出資を決定したと・・・…続き
-
NTTデータが続伸、人工衛星を複数打ち上げ地上の観測網を整えると報じられる
2024/7/1 10:23
NTTデータが続伸し、一時35円高の2397円を付けている。6月30日付の日本経済新聞は、同社が人工衛星を複数打ち上げ、宇宙に地上の観測網を整えると報じ、材料視された。 同紙によると・・・…続き
-
日経平均は127円程度高、買い一巡後は戻り待ちの売りに押される=7月1日前場
7月1日午前10時5分すぎの日経平均株価は、前週末比127円程度高い3万9711円前後で推移する。前週末6月28日の堅調な値動きが継続。シカゴ日経平均先物の円建て清算値が、同28日の大阪取引所清算値・・・…続き
-
<米国株情報>ライト・エイド、破産裁判所が再建計画を承認
2024/7/1 10:08
ニュージャージー州連邦破産裁判所は6月28日、23年10月に破産法第11条を提起用申請したドラッグストア大手ライト・エイド<RAD>が提出していた経営再建計画を承認した。 再建計画ではライト・エイド・・・…続き
-
<米国株情報>アマゾン、AIベンチャーのアデプトから創業者を引き抜き
2024/7/1 10:07
オンライン小売大手アマゾン・ドットコム<AMZN>が6月28日、AI(人工知能)スタートアップ企業のアデプト(Adept)からデビッド・ルアンCEO(最高経営責任者)ら3人を引き抜いたことが分かった・・・…続き
速報ニュース
-
2日のADR動向=円換算値でほぼ全面高、TDK、三住トラスト、ファストリテなどが高い
1分前
-
<きょうの主な経済指標・スケジュール>新紙幣発行、米6月ADP雇用統計・5月貿易収支など
2分前
-
13時間前
-
225オプション・コール(期近・7月2日・権利行使価格4万1000円)
14時間前
-
225オプション・プット(期近・7月2日・権利行使価格3万9500円)
14時間前
-
14時間前
-
14時間前
-
14時間前
-
14時間前
-
15時間前