【為替本日の注目点】ドル円続伸。161円台後半に

為替

サーチナ

2024/7/2 10:17

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 東京時間では、161円台には乗せたものの上値の重かったドル円はNYで続伸。米長期金利上昇を追い風に、一時161円72銭まで上昇。ユーロドルは1.07台で推移。対円では173円68銭前後まで買われ、ユーロ創設以来の高値を更新。株式市場は3指数が揃って上昇。ナスダックは146ポイント上昇。債券は続落。長期金利は4.46%台まで上昇し、1カ月ぶりの高水準に。金は小幅に反落、原油は大幅に反発し83ドル台に。

6月ISM製造業景況指数 → 48.5

6月S&Pグローバル製造業PMI(改定値) → 51.6

マーケット情報

ドル/円 160.98 ~ 161.72

ユーロ/ドル 1.0720 ~ 1.0770

ユーロ/円 173.10 ~ 173.68

NYダウ +50.66 → 39,160.52ドル

GOLD -0.70 → 2,338.90ドル

WTI +1.84 → 83.38ドル

米10年国債 +0.065 → 4.461%

本日の注目イベント

豪 RBA、金融政策会合議事要旨公表

欧 ユーロ圏6月消費者物価指数(速報値)

欧 ユーロ圏5月失業率

欧 ラガルド総裁、パウエル議長、ECBフォーラムで討論会に参加

米 5月雇用動態調査(JOLTS)求人件数

米 6月自動車販売台数

 円安の流れが止まりません。昨日のNYでは米長期金利がおよそ1カ月ぶりの水準まで上昇したことで、ドル円は161円72銭前後まで「円売りドル買い」が進みました。このところの傾向として、円はドル以外の主要通貨に対しても大きく売られ、ユーロ円は一気に173円68銭近辺まで上昇。豪ドル円も107円80銭辺りまで買われ、こちらは2007年11月に記録した高値にほぼ並んだ格好です。いずれも「単一通貨発足以来」とか、「17年ぶりの水準」といったような形容詞が付けられる程、円全面安の展開と言えます。この日発表された「6月のISM製造業景況指数」は「48.5」と、3カ月連続で活動縮小が示され、仕入れ価格指数は約1年ぶりの大幅低下だったにもかかわらず円売りが止まりせん。

 ここまで来ると、「行くところまで行かないと円安は止まらない」ような気もしますが、その水準を見極めるのは難しいところです。介入警戒感も日増しに高まっていますが、昨日の東京時間のように日中ではドルの上値が重いものの、海外市場で一気に水準が変わる展開が続いています。ここまで円安が進んでも、口先介入は繰り返えされてはいるものの、実弾介入は見られません。介入の陣頭指揮を執る神田財務官は退任が決まっていますが、任期は今月末までだそうです。最後の「置き土産」として、再度介入に踏み切る可能性は高いのかもしれません。介入の効果を高めるためには、市場参加者の少ない時間帯が有効であることから、今週4日(木)はNY市場が「独立記念日」のため休場となるため、最大の注意が必要かもしれません。

 第1回のテレビ討論会では圧勝したトランプ氏でしたが、米連邦最高裁は1日、トランプ氏が2020年大統領選の結果を覆そうとしたとして起訴された事件を巡り、同氏が主張していた「免責特権」を部分的に認める判断を下しました。これにより、11月に行われる大統領選より前に公判が開かれないことがほぼ確実になり、(ブルームバーグ)状況はトランプ氏にとってますます有利になっています。この日の判断は6対3で、保守派、リベラル派に分かれている連邦最高裁判事の構成比に合致するもので、想定通りの判決です。ロバーツ最高裁長官は、「大統領は法の上に立つ存在ではない」としつつ、「だが、憲法の下で行政府の責任を遂行する大統領の行為を犯罪とすることはできない」としています。一方、討論会では自身の年齢の高さを露呈してしまったバイデン氏でしたが、民主党全国委員会(DNC)は、バイデン氏を大統領選挙の正式候補に認定する手続きを繰り上げ、早ければ7月21日に前倒しする方向で検討していると伝えられています。討論会を受けて党内に広がった候補者交代の臆測を打ち消す狙いがあるとみられています。

 政治的混迷を深めているフランスでも、台頭する極右政党・国民連合(RN)が政権を握るのを阻止するために、マクロン大統領の「中道連合」と左派の「新人民戦線」は、7月の国民議会(下院)選挙第2回投票で一部の選挙区で候補者を取り下げるかどうかを検討している模様です。フランス内務省の正式発表では、ルペン氏率いるRNは6月30日の第1回投票では33.2%の得票率でした。

 本日のドル円は161円~162円30銭程度を予想します。

(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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