<無料公開>台湾TSMCが強気の設備投資、2020年は一段と高水準へ――半導体関連株に注目

2020/1/17 8:31

 半導体ファウンドリー(受託生産)世界最大手の台湾TSMCが16日に発表した2019年10~12月の決算は、売上高が103.9億ドル(約1兆1400億円)と前四半期比で11%拡大した(前年同期比も11%増)。1株利益は4.47ドル(前年同期比16.1%増)となった。また、20年の設備投資は高水準だった19年をさらに上回る見通しだ。

 10~12月の売上高は5G(次世代高速通信システム)対応のスマートフォン向けなどで回復感を強め、会社見通しの上限(103億ドル)を超過した。回路線幅7ナノメートル(ナノは十億分の一)の製造プロセスが大幅に伸びた。EUV(極端紫外光リソグラフィー)と呼ばれる先端技術が活用されており、通年の7ナノの売上ウエートは18年の9%から19年は27%まで拡大している。

 20年1~3月の売上高の見通しは102億~103億ドル。市場が注目していた20年通年の設備投資の計画は150億~160億ドルで、19年実績の149億ドル(18年比約4割増)に対し上限で7%超拡大する公算だ。

 TSMCの業況は、世界の半導体需要を反映する。強気の設備投資計画は、日本の関連銘柄にとっても好材料とみられる。ファウンドリーに強い製造装置のSCREENホールディングス(=スクリン、7735)をはじめ、大手の東京エレクトロン(8035)、日立ハイテクノロジーズ(8036)、東京精密(7729)などに注目したい。また、EUVに絡んではレーザーテック(6920)やHOYA(7741)、ホロン(7748・JQ)、東洋合成工業(4970・JQ)、ウシオ電機(6925)などが浮上する。

(イメージ写真提供:123RF)

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