<中原圭介の相場観>煮詰まる日経平均、上下いずれかにフレる時期?

コラム

FOMC

2021/6/14 17:31

 6月7日の当欄では米国株は初夏まで安泰だとみて、NYダウが高値を更新し、ナスダック総合指数もピーク水準にトライする局面を想定した。また、米国株が上昇するのであれば、日本株にも追い風であり、日経平均株価が6月中に3万円に接近する局面もあるかもしれないと指摘した。

米株堅調も日本は頭重く

 実際にNYダウとナスダック指数は高値圏に戻り、S&P500指数は前週末に連日で最高値を更新した。一方、日本株は上値の重さが意識される。特に前週は、買いが先行するも、その後は売りに押される傾向が顕著だった。

 海外投資家がオリンピック開催による感染拡大リスクを意識しているせいか、2万9000円台に入ると先物主導で売り圧力が強まる。日経平均は週明けの14日も前週の月曜(7日)と同様に、2万9200円どころで頭を抑え込まれた。

 日経平均のチャートでは5月28日から12営業日もちあい相場が続いており、今週~来週中にも上か下かに500~1000円幅でフレ始める展開が近いとみて取れる。15、16日のFOMC(米連邦公開市場委員会)をきっかけにどちらかに動きだすかもしれないが、正直なところ、買いとも売りとも判断しがたい。

FOMC後の会見焦点

 というのも、新型コロナウイルスのワクチン接種が進んでいるにもかかわらず、米国株にまったくキャッチアップできない状況は、5月のように米国株が下がった時だけお付き合いしてしまう動きをほうふつとさせる。目先はやはり、FRB(米連邦準備制度理事会)がマーケットに優しいままでいてくれるのかを判断する材料として、16日のFOMC後のパウエル議長の会見内容が注目される。

 それに加え、ナスダックがトリプルトップを形成するのか、それとも新高値を取って新たな上昇基調に入るのか、その分岐点が近づいていることにも意識を向けておきたいところだ。

(写真:123RF)

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