【深センIPO】27日は2社が創業板で上場、イリ川寧生物技術の初値は公募価格の2.19倍に

サーチナ

中国株

2022/12/28 9:29

 深セン証券取引所では12月27日、浙江通力伝動科技(301255/深セン)とイリ川寧生物技術(301301/深セン)の2社が創業板に新規上場した。いずれも初値が公開価格を上回り、特にイリ川寧生物技術は2倍を超える初値が付いた。

 浙江通力伝動科技の初値は、公開価格37.02元を5.38%上回る39.01元だった。終値は同5.89%高の39.20元だった。

 同社は2008年設立の民営企業。減速機の研究開発、生産、販売を主業務としており、自社ブランドの「通力」は中国馳名商標に認定されている。同社が生産する汎用減速機と工業用ギアボックスは工業伝動システムの重要基礎部品の一つで、冶金、化学工業、環境保護、エネルギー、製薬、起重、輸送、建材、食糧、鉱山、物流、紡織、航空宇宙、海洋設備、建機などの分野に広く用いられている。2022年北京冬季五輪のメイントーチ昇降設備、中国中央テレビの春節特別園芸番組の舞台装置などに同社の製品が利用されている。

 21年12月期の売上高は4億6731万元(前期比36.15%増)、純利益は9055万元(同64.18%増)。22年1〜9月期の売上高は3億4289万元(前年同期比0.67%増)、純利益は7274万元(同18.65%増)。

 新規上場に伴い調達予定の3億4519万元(約66億円)は、約59%の2億478万元を年産5万台の工業用減速機スマート工場技術改良プロジェクトに、約15%の5041万元を研究開発改良プロジェクトに用いる。

 イリ川寧生物技術の初値は、公開価格5.00元の2.19倍となる10.97元。終値は同2.01倍の10.05元だった。

 同社は10年設立の民営企業で、新疆ウイグル自治区に本社を構える。医薬中間体メーカーとして、バイオ発酵技術の研究開発と産業化を主業務としている。主な製品は、エリスロマイシン、チオシアン酸塩、セファロスポリン系中間体、ペニシリン中間体、ウルソデオキシコール酸、コエンザイムQ10菌糸体など。中国国内におけるバイオ発酵業界では規模、生産技術、環境保護技術など多くの面で強みを持っており、各種中間体製品の生産量は国内で上位に入る。

 21年12月期の売上高は32億3201万元(前期比11.44%減)、純利益は1億1134万元(同51.38%減)。22年1〜9月期の売上高は29億3956万元(前年同期比15.83%増)、純利益は3億3229万元(同93.31%増)。

 新規上場に伴い調達予定の6億元(約115億円)は、約33%の2億元を上海市の研究機関建設プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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