【為替本日の注目点】NY金9日続落
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ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は東京時間朝方には148円26銭まで売られたが、その後反発。NYでは市場参加者が雇用統計を見極める姿勢を強める中149円10銭まで買われた。ユーロドルは小幅に続伸し、終始1.05台で推移。株式市場は3指数が揃って反落したが、下げ幅は小幅に留まり、雇用統計の発表待ち。債券も小幅に続伸。長期金利は4.72%前後で推移。金は続落し、これで9営業日連続で売られ、一時1826ドル台を付ける。米金利の先高観が重しに。原油も続落し82ドル台に。
マーケット情報
新規失業保険申請件数 → 20.7万件
8月貿易収支 → -58.3b
ドル/円 148.31 ~ 149.10
ユーロ/ドル 1.0500 ~ 1.0552
ユーロ/円 156.22 ~ 156.74
NYダウ -9.98 → 33,119.57ドル
GOLD -3.00 → 1,831.80ドル
WTI -1.91 → 82.31ドル
米10年国債 -0.014 → 4.719%
本日の注目イベント
日 8月景気先行指数(CI)(速報値)
日 8月景気一致指数(CI)(速報値)
独 独8月製造業新規受注
米 9月雇用統計
米 8月消費者信用残高
加 カナダ9月新規雇用者数
加 カナダ9月失業率
昨日の東京時間朝方にはドル円は売られ、一時148円26銭を付けました。3日のNY市場でのドル急落の影響が残っている中、前日のNYでのドルの安値を抜いたことでドル売りが加速したものと見られます。ただその後ドル円は徐々に反発し、NYでは149円台を回復しましたが、今夜の雇用統計発表を控え、以前の水準を試すには至らず148円台半ばで戻ってきました。為替も株もあるいは金も、「米国の金利次第」という状況になっていますが、その金利も先高観が依然として残っており、その最大の要因は「米議会の混乱」であることは論を待たないところです。
マッカーシー前下院議長の努力もあり、土壇場で政府機関の閉鎖は回避されましたが、つなぎ予算の猶予は11月中旬までです。それまでに2024年会計年度予算が成立すれば問題はありませんが、その見通しがたたない状況です。マッカーシー氏の解任劇を主導した共和党保守強硬派の8人に対する厳しい批判の声が共和党内で沸き上がり、マッカーシー氏を支持する議員との溝が深まっているからです。ブルームバーグは、「わずか8人の保守強硬派が主導した『マッカーシー降ろし』は、前議長を支持していた多くの下院共和党議員の激しい怒りを招いている。共和党内では超保守的な政策課題をどこまで追求するのかを巡り大きな意見の隔たりがあり、今回の解任劇ではさらに溝が深まりそうだ。マッカーシー氏に近いグレイブス下院議員は『11月に政府が閉鎖される事態となれば、それは100%ゲーツ氏と他の7人の愚か者のせいだ』と述べている」と報じています。また、保守強硬派の反対理由の一つであった、ウクライナへの追加支援でも、共和党自体が消極的で、バイデン大統領率いる民主党とは立場を異にしています。さらに下院と上院では12本の歳出法案についても相当の意見の相違が見られ、歳出法案の採決が難しい状況になっています。
現在、今後もさらに追加利上げを行うべきかどうかを巡ってはFOMCメンバーの中でも意見が分かれているのが現状です。「ハト派」と言われるのはNY連銀のウィリアムズ総裁を筆頭に、バー副議長、ウォラー理事、グールズビー・シカゴ連銀総裁、さらにボスティック・アトランタ連銀総裁ですが、加えて、サンフランシスコ連銀のデーリー総裁もハト派寄りの見方を示しています。デーリー総裁はNYでのイベントで、「労働市場の減速が続き、インフレが当局の目標に向って低下し続ければ、金利を据え置き、政策効果が引き続き働くのを見ていることができる」と述べ、「金融環境は過去90日間でかなり引き締まったが、その状態が続く場合は、われわれがさらに行動を起す必要性が低下する」と指摘しています。一方、リッチモンド連銀のバーキン総裁は慎重な見方を示し、「もう十分やったのか、もっとやるべきことがあるのか、見極める時間はある。今後の道筋は、インフレ圧力がピークを過ぎたと確信できるのか、なお持続すると見るかに左右される。その手掛かりを求め、労働市場を注意深く見守りたい」と語っています。
今週発表された8月の求人件数(JOLTS)では予想を上回る強い数字が示された一方、民間の雇用統計であるADPでは予想を大きく下回る雇用者数と、強弱まちまちでした。デーリー総裁が「労働市場は減速を示している」と述べていましたが、確かに直近3カ月の平均では非農業部門雇用者数(NFP)の伸びは「約15万人」と、今年1月から3月の平均の「33.6万人」から大きく減速しています。今夜の予想はNFPが「17万人」と、8月からの伸びが鈍化すると見込まれており、失業率は「3.8%」から「3.7%」に低下すると予想されています。再び介入の憶測を呼んだ水準に戻るのか、あるいは147円抜けを試すのか、注目です。
本日のドル円は147円50銭~150円程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
・今日のアナリストレポート
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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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