米5月雇用統計、非農業部門雇用者数は27.2万人増―平均時給は0.4%増

経済

2024/6/10 8:08

<チェックポイント>

●平均時給、前年比では2月以来の高い伸び

●民間・政府部門ともに堅調―ヘルスケアやレジャー・娯楽が急増

●失業率は2年4カ月ぶりの4%台に上昇

 米労働省が7日に発表した5月雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比27万2000人増となり、市場予想の平均値である18万人増を大幅に上回った。過去分については、4月分が17.5万人増から16.5万人増に、3月分が31.5万人増から31.0万人増に、併せて1.5万人の下方改定となった。

 また、インフレ要因として市場が注目している平均時給の伸びは、前月比0.4%増の34.91ドルとなり、前月の同0.2%増から大きく加速し、市場予想の0.3%増も上回った。前年比も4.1%増と、前月の4.0%増や市場予想の3.9%増を上回り、2月の4.3%増以来の高い伸びとなった。FRB(米連邦準備制度理事会)では平均時給の伸びについて、前年比3%増を好ましい伸びとしている。

 一方、失業率は4.0%と、前月や市場予想の3.9%を上回った。失業率が4%に達したのは22年1月以来2年4カ月ぶり。FRBが重視している27週間以上の長期失業者数の割合は20.7%と、4月の19.6%から上昇し、1月の20.8%以来、4カ月ぶりの高水準となった。

 労働時間は34.3時間と、前月と変わらなかった。

 部門別では、民間部門が前月比22万9000人増(前月は15.8万人増)となった。成長産業である医療分野のヘルスケアが伸びをけん引したほか、製造業や建設業も堅調。また、サービス業では、レジャー・接客業が、レストラン・バー、専門・ビジネスサービス業などを中心に大きく伸びた。ただ、人材派遣サービス(パートタイム)は1万4100人減と、4月の1万2300人減からさらに減少した。

 政府部門も前月比4万3000人増(同7000人増)と大幅に伸びた。

 今回の統計で非農業部門雇用者数や平均時給が市場予想を上回る伸びとなったことで、債券市場では政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標に敏感な2年国債利回りが4.737%と、前日比0.11ポイント上昇。10年国債利回りも同0.11ポイント上昇の4.403%となった。市場ではFRBが金融引き締めを長期化させるとの見方が強まり、9月の利下げ開始も不透明感が強まりつつある。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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