【為替本日の注目点】PCE価格指数を待ち、小動き
ひと目で分かる昨晩の動き
NY市場
ドル円は160円台でもみ合い。介入警戒に加えて、今夜発表のPCE価格指数の結果を見たいとする雰囲気の中、160円82銭まで買われる。ユーロドルは小幅に反発。1.07台前半まで上昇するも動きは緩慢。ただ対円では172円17銭近辺まで買われ、ユーロ創設以来の高値を記録。株式市場は前日に続き、3指数が揃って小幅に上昇。利下げを支援する経済指標が出たことが買い安心感につながる。債券は反発。長期金利は4.28%台に低下。金は反発し、原油は続伸。
新規失業保険申請件数 → 23.3万件
1-3月GDP(確定値) → 1.4%
5月耐久財受注 → 0.1%
5月中古住宅販売成約件数 → -2.1%
マーケット情報
ドル/円 160.30 ~ 160.82
ユーロ/ドル 1.0693 ~ 1.0726
ユーロ/円 171.37 ~ 172.17
NYダウ +36.26 → 39,164.06ドル
GOLD +23.40 → 2,336.60ドル
WTI +0.84 → 81.74ドル
米10年国債 -0.043 → 4.286%
本日の注目イベント
日 6月東京都区部消費者物価指数
日 5月失業率
日 5月鉱工業生産
独 独6月雇用統計
英 英1-3月期GDP(改定値)
英 英1-3月期経常収支
米 5月個人所得
米 5月個人支出
米 5月PCEデフレータ(前月比)
米 5月PCEデフレータ(前年比)
米 5月PCEコアデフレータ(前月比)
米 5月PCEコアデフレータ(前年比)
米 6月シカゴ購買部協会景気指数
米 6月ミシガン大学消費者マインド(確定値)
米 バーキン・リッチモンド連銀総裁講演
米 ボウマン・FRB理事、質疑応答に参加
米 デーリー・サンフランシスコ連銀総裁、討論会に参加
ドル円はさすがに介入警戒感が強まる中、上値を重くはしていますが、それでも160円台は維持しています。もっとも、市場は介入警戒感というよりも今夜は発表される「5月のPCE価格指数」の結果を待っている側面が強い状況です。結果次第では161円台に大きく上昇する可能性がある一方、弱目の数字が出ればドル売りが加速することも考えられます。その場合には、どこまでドルが売られるのかと言う点重要です。市場には「ドルが下げたら買いたい」する向きも多くいるからです。数字にもよりますが、4時間足の「基準線」が位置する159円40銭辺りがメドになるのではと考えています。
昨日発表された経済指標は概ね弱い内容でした。週間失業保険申請件数は「23.5万件」と、先週よりも6000件ほど減少していましたが、トレンドを見る上で注目される4週移動平均では「23.6万件」に増加しています。また、失業保険の受給者は1.8万人増え、183.9万人となっていました。「5月の中古住宅販売成約件数」は予想外の低下となり、過去最低水準に落ち込んでいました。高水準の住宅ローン金利と物件価格が購入希望者の意欲をそいだと見られていますが、同指数は前月比で「-2.1%」とデータがさかのぼれる2001年以降で最低でした。
アトランタ連銀のポスティック総裁は、インフレ鈍化の兆しが見えるデータを前に、年内10-12月に1回の利下げを引き続き想定していると述べています。ポスティック氏は、「インフレは依然として最大の懸念事項だ。ただし、リスクは当局の2大責務の項目全般で一段とバランスが取れてきている。それについて考慮する必要がある」と語っています。ポスティック氏の言う「2大責務」とは、「物価の安定と、雇用の最大化」というFRBに課せられた「ダブルマンデート」いうことになります。前回のFOMC会合で示されたように、メンバーの多くは「年内1回の利下げ」を見込んでおり、これが次回会合までに2回になるのかあるいはゼロになるのか、やはり今夜のPCE価格指数の内容が重要になってきます。FRBは消費者物価指数(CPI)よりも、より同指数を重要視していることは、広く知られています。
まもなく2024年大統領選の火ぶたが切られます。日本時間午前10時からバイデン氏とトランプ氏の直接討論会がジョージア州アトランタで開かれます。現職大統領と前大統領の討論は前例がなく、会場には一般人が入れず、CNNが放映します。従って、スピーチに対する拍手もブーイングもなく、さらに前回討論会と異なり、相手候補の話が終わらないうちに反論などが出来ないように、一方が話している間は、相手側のマイクは自分の順番が来るまで消されることになっています。異例ずくめの討論会と言えます。また、討論会には副大統領候補者も姿を現すと見られ、トランプ氏側の副大統領候補者が誰になるのかも注目されています。直近の世論調査では両者の支持率は接近しており、当初に比べると「トランプ勝利」を予想するメディアは減少しているようです。NY地裁が下した「有罪判決」が効いているようです。それでも、「もしトラ」の場合、法人税引き下げや中国からの全ての輸入品の60%もの関税を課す方針を宣言していることで、インフレがさらに加速する可能性が高いとみています。財政赤字が拡大し債券の発行額が増大することで長期金利に上昇圧力がかかり、金利が上昇する可能性が高いと予想されます。ここにもまだ「ドル先高観」が存在しているようです。
本日のドル円は159円40銭~161円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)
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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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