<中原圭介の相場観>衆院選「サプライズ勝利」もボックス相場継続へ

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2021/11/1 17:30

 10月31日に行われた衆院選では、さまざまなメディアの事前の予測とは異なり、自民党が261もの議席数を維持した。絶対安定多数を得たことで、国会の運営を思惑通りに進めることができる意義は大きい。

 サプライズとなった選挙結果を受けて、11月1日の日本株は全面高。日経平均株価は足元の10月20日の高値2万9489円を奪回した(終値は2万9647円)。現時点では買いの主体は海外勢なのか国内勢なのか、あるいはその両方なのかは分からない。ただ、外国人投資家が懸念していた政治リスクが後退したことは間違いない。

 ただ、これをもって外国人投資家が、日本株の買い越し基調を形成すると安易に考えない方がよいだろう。10月29日時点で米国企業の8割以上が市場予想を上回る決算を発表しているのに対して、日本企業は半導体不足や原材料高の影響で業績の伸びが鈍い。

 その上、中国経済の減速には引き続き警戒しなければならない。同国を主戦場とする機械株などには上値の重い銘柄が目立つ。

 日経平均は依然として2万7000~3万1000円(厳密には2万6954~3万795円)のボックス相場にあり、海外投機筋の先物売買に振り回される展開が継続するとみている。ボックス相場での王道戦略は、シンプルに上方で利益確定を優先し、下方で押し目買いに徹すること。割り切った機械的な売買が有効だと考えている。

(アセットベストパートナーズ 中原圭介)

(写真:123RF)

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