<新興国eye>前週の上海総合指数、コロナ感染拡大や米利上げ長期化懸念を受け反落=BRICs市況

新興国

2022/12/19 9:22

 前週(12-16日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで7週ぶりに反落。16日は3167.86(9日終値比1.22%安)だった。

 週明け12日は指数が反落。翌13日も続落した。14日は小反発したが、15日は再び反落。

 週前半は、政府が経済再開に向け、ゼロコロナ政策に基づいた防疫措置を緩和したことを受け、各地で新型コロナ感染が再拡大し、景気の足を引っ張るとの懸念が広がり、売りが優勢となった。また、これまでゼロコロナ政策の緩和と不動産開発セクターに対する金融支援で急騰したセクターに利食い売りが出たことで相場が押し下げられた。その後は、北京でコロナ感染が急拡大したことが嫌気され、売りが一段と強まった。ただ、来年の経済政策方針を決める中央経済工作会議が15日に開催され、経済対策が打ち出されるとの思惑が広がったため、下げは限定的となった。

 週後半は、米11月CPI(消費者物価指数)の伸びが鈍化し、米利上げペースの減速期待が強まったことや、コロナ感染者の急増にもかかわらず、防疫措置の緩和が続いていることが好感され、買いが優勢となった。個別銘柄では国家衛生健康委員会がコロナワクチンの追加摂取を発表したことを受け、ワクチン大手康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が物色され、上げを主導した。その後はFRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策決定会合で利上げ幅を縮小したものの、政策金利のピーク見通しを5.1%に引き上げたことを受け、利上げが長期化するとの思惑で、売りが優勢となった。

 週末16日は小幅続落。コロナ感染拡大への懸念とコロナ禍後の景気対策への期待が交錯する展開となる中で、指数は小幅下落した。市場では中央経済工作会議の経済政策運営方針に注目している。

 今週(19-23日)の株式市場は新型コロナ感染防止措置の緩和や台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、来年の景気対策を示す中央経済工作会議(15日)も注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

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